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【9.23大田区】ザックの前に立つ者は、ギブアップあるのみ【G1 CLIMAX 31】

2021/09/25
 
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「本日のメインイベント、鷹木信悟VSザック・セイバーJr.  勝つのはダレですかー?」

 

などと、どこぞの預言者がリング上からマイクで煽ると、観客からは「鷹木ー!」といったレスポンスが帰ってくる。

すると、どこぞの預言者はさらにこう煽る。

 

「本日のメインイベントで勝つのはぁ! どんな態勢でも関節技、サブミッションホールドを決められるこの男!  無限のサブミッションホールドを持つこの男!  he is サブミッションマスター ! he is ZSJ!  he is ザック・セイバーJr.!  ザックの前に立つものは、ジャスト・タップ・アウト!  ギブアップあるのみ!」

 

2018年のニュージャパンカップで、俺たちはこの的中率200%の予言の実現を目の当たりにした。

そして今年、あれから3年後の『G1 CLIMAX 31』にて、またもこの恐ろしい予言を追体験しているのである。

一回戦で内藤哲也がタップアウトさせられ、今回は現役IWGP世界王者の鷹木信悟がその犠牲となる。

 

チャンピオンのタップアウトによる完全敗北。

 

こんなセンセーショナルな事件があって良いのだろうか?

いや、ザック・セイバーJr.ならば、それを可能にしてしまうだけの説得力があるのだ。

 

ザック「おい、ビックリした? 「ザックが勝った。えー!」。俺は最初からわかってたぞ、バカども!」

 



現チャンプを追い詰める関節技地獄やべー

 

コロナ禍においても永遠に日本に残り続けているザック。

海外の選手が、地元と日本を行ったり来たりしている中でも、ザックはこのリングを一切離れようとしない。

そして俺たちファンも、ザックがここにいることを当然のように受け入れ、もはやザックが外国人であることすら忘れている。

英語が達者でユーモアセンスが異次元に高い日本人離れした日本人レスラー

ザック、ここにいてくれることに改めて感謝したい。マジでプロレスを面白く、とんでもなくエキサイティングにしてくれてありがとう。

 

鷹木信悟との対決は、新日本のリングでは初。

12年前の2009年、ドイツのトーナメントにて一度対戦経験があるという2人は、当時なんと鷹木が胴締めスリーパーでザックに勝利しているというこれまたなにかを暗示するような歴史がある。

それを根に持っているというか「サブミッションでの敗北という雪辱をついにこの舞台で晴らせる」と意気込みを見せるザック。

 

デスペ「そんなこと覚えてないんじゃねーの?、鷹木、バカそうだし」

 

などという鷹木への個人的なディスりを口走るデスペさんだが、鷹木もちゃんと覚えていたらしいから良かった。

 

引き出しの多い鷹木のことだし、ザック相手にサブミッション勝負を挑めるだけのポテンシャルはあるはずだが、この日は勝利至上主義でいくとパワーでの畳みかけを選ぶ。

なぜなら、開幕戦での故障でシリーズ欠場を余儀なくされた内藤哲也への弔いもあるからだ。

9.18大阪大会のザック戦にて左足を負傷した内藤。

左膝内側側副靭帯損傷・半月板損傷で全治は未定。リーグ戦は全戦欠場で不戦敗となるという哀しいニュースが流れた。

 

 

 

チームメイトとしては、ここは確実に倒してカタキを討たねばという心境だったらしく、試合中に内藤哲也のポーズをザックに向けて見せつけるなどのパフォーマンスも飛び出した。

しかし、ザックは見事にそのパワーをいなして、絡みつき、自分の得意なカタチへと引き込んでゆく。

執拗に右腕を狙いつづけるザックの無間地獄が鷹木の体力を削っていき、最終形態の腕ひしぎ逆十字固めへと導く。

テンポとスピード感のある鷹木の攻撃を、そのイキオイを利用してのサブミッションで切り返す見事な作戦だった。

めちゃめちゃタフで、いつも元気ハツラツな鷹木信悟がどんどん疲弊していき、そのぶんザックがどんどん元気になっていくという、HPの奪い合いみたいな闘いだったゆえに、柔軟さとテクニックを極めたザックに軍配が上がる結果となったのだろう。

とはいえ、ザックは鷹木相手に打撃戦でも負けていなかったし、あの一瞬の瞬発力がモノを言うザックドライバーまでも決めたんだから反則級に強すぎる。

シリーズ前半で内藤と鷹木を倒したザックは、誰がどう見ても優勝戦線の大本命となった。

 

 

 

裕二郎の個人闘争、己との闘いがはじまる

 

バレットクラブ同志の対戦ともなると、やはり序盤はヘラヘラと「まあまあ気楽にいこうぜ」みたいなノリになりがちで、それはやっぱ試合のゴングが鳴ってお互いが対峙した瞬間にToo Sweetサインをし合うことから出てくる仲間意識なんだろうなと思う。

そんな中、俺たちファンが俺たちの裕二郎に求めるのは、やはりここでストイックさを見せつけて欲しいという願望に他ならない。

試合が始まり、例によってKENTAは裕二郎に向けてToo Sweetサインを求めるわけだが、そんな俺たちの願いに裕二郎はしっかりと応えてくれる。

 

裕二郎は一瞬たりとも迷わずにそれを拒絶するのだ。

 

内藤がケガで欠場し、もはや裕二郎にとっての今年のG1の大きなテーマが消失してしまったが、そんなことは関係ない。

これは自分との闘い。

新技を手に入れ、初戦で飯伏撃破というイキオイを得た裕二郎がどこまでいくのか? 誰もが期待するこの状況で、シーズン終了後に何を残せるか?こそが重大なテーマ。

そして、崖っぷちである裕二郎の本意気に、真正面から応えるKENTAもまたアツかった。

パワーで畳みかける裕二郎に対して丸め込み技を多用するKENTAの勝利への執念、金的を読んで腕をとってのGAME OVERへの美しい流れとか完璧だった。

裕二郎も技のキレやスピード感が増していて、最高のコンディションなのが一目瞭然。

残念ながら同門対決は敗れてしまったが、まだまだイキオイは落ちないだろう。

 

ちなみに、裕二郎にToo Sweetサインを求めて拒絶されたKENTAは、何も気にしてませんよと言いたげに、今度は場外のピーターさんにToo Sweetサインを求めるわけだが、ピーターさんもそれを拒否する。

このとき、「ぷいっ」ってそっぽ向くピーターさんを、カメラが遠目からしか捉えていないわけだが、このシーンを寄りで抑えていないカメラマン、もしくは俯瞰映像に切り替えたスイッチャーの怠慢さを俺は非難したい。

見てみると、コトの全体像は把握しいやすいものの、ちょうどピーターさんの姿を大会規定のテロップが邪魔していて満足に見えていないのである。

 

スイッチャー! なにやってんの!(CV:ブライト艦長)

 

 

見てよこの「ぷいっ」ってした瞬間のポニーテールがフワっとなびく乙女シーン! 裕二郎への一途な想いが垣間見えてグッとくるよねやかましいわ。



エル・デスペラードの解説力

「裕二郎って、もういろんなことを諦めているレスラーだと思ってた」

「(ケンタは)なんかスカした奴だと思ってたけど、アツいねぇ」

 

こういう個人的かつ正直な感想をさらっと語るデスペの解説力というかさ、目の前のプロレスを見ての説明も的を得ているし、現役プロレスラーならではの視点での自身の “想い” みたいなのもどんどん飛び出すのが本当に面白い。

現役レスラーのゲスト解説って、わりと無言になりがちというか、試合に見入ってしまってリアクションがマイクに乗りにくかったり、特にヒールレスラーとかだとアナウンサーに振られるまで積極的に意見を言わなかったりってのが多くて、田口監督なんてアナウンサーに振られても「はい・・・」「そうですね・・・」しか言わないマジもんのコミュ障で逆に面白いんだけど。

そんな中でもデスペの解説は、説明の的確さといい、リアクションの大きさといい、自身の意見をまっすぐ言えるコメント力といい、真壁さんや棚橋さんに匹敵するとんでもない逸材だと思う。

 

良い解説があると、プロレスはさらに面白くなる。

そういう意味で、今回の大田区大会でのデスペのゲスト解説は、試合を何倍にも楽しめる要素がつまっていて最高だった。

 

 

余談だが、休憩終わりの第4試合直前、阿部リングアナが「ただいまより、後半戦を開始します」といったアナウンスがあった際に、デスペの「ウンコ? ウンコですか?」という発言がマイクに乗ったんだが、一体なぜ、誰に向けられた発言なのかが今世紀最大のミステリーである。

 

 

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