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【9.23札幌1日目】実録、鈴木軍【G1 CLIMAX 30】

 
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タイチと鈴木みのるの歴史は「鈴木軍」の歴史そのものだ。

壮絶なる一騎打ちの末、ついにボス鈴木みのるを下したタイチ。

フラフラと退場していくボスの姿を見つめるタイチのその表情を見て、思わず涙がこぼれてしまった。

この日、俺は北海きたえーるの会場で現地観戦していたが、そのときは遠目から眺めていたので、タイチの細かい表情まで見ることはできなかった。

しかし、帰宅して改めてこの試合をワールドで見返すと、2人の間にある “感情” と “歴史” が、その表情からひしひしと伝わってくるような気がした。

俺は鈴木軍の単なるファンのひとりであり、彼らの想いなどわかるはずもなく、すべて想像するしかないわけだが。

正解など一生わからないが、いまこの試合を見て言えるのは、「鈴木軍」のメンバーたちにとっての目標であり最高の瞬間ってのは、「ボス鈴木みのると本気で闘えること」なのかもしれない。

鈴木みのるが本気で牙をむく一流レスラーたちの仲間入りをすること。

 

タイチ「効いたよ。効いたよ。さすがだな。隣にいるとわかんねえもんな。(中略)何度でも言うぞ。別に誰がボスだとか、そんなものねえんだよ。今日たまたま2日目の公式戦だよ。俺が立ってる。最後立って、勝ち名乗りを受けた。それだけだ」

※新日本プロレス公式HPより抜粋

 

試合後のタイチのバクステコメント。

「隣にいるとわかんねえもんな」という言葉こそがすべてなのではないだろうか。

鈴木の本気の攻撃を、タイチはついに公式戦の大舞台で喰らうことができた。

いや、喰らえる場所にたどり着いたのだ。

 

試合後のタイチの表情、微笑んでいるかのようなあの表情は、「勝利の喜び」や「ボスに下剋上をつきつけた」ということ以前に、ここから始まる鈴木みのるとの “本当の闘い” に身もだえするほど興奮していたのではないだろうか。

そもそもこの一勝で “下剋上” が成立するなどとは、タイチ本人が微塵も考えていないだろう。

鈴木みのるも、ボスとしてタイチにその座を譲る気などさらさら無いはず。

 

これは始まりに過ぎない。

 

鈴木軍に「裏切り」や「権力闘争」はない。

いつか鈴木が、タイチにボスの座を明け渡すときが来るとしたら、それはタイチが文字通り新日本プロレスの “王” に相応しい存在になったそのときである。

 

 

 

タイチ VS 鈴木みのる

 

『G1 CLIMAX 30』Aブロック公式戦2戦目、運命の闘いの舞台は札幌。

 

鈴木「オイ、なんだ、どいつもこいつも! タイチもザックも、俺の前にひざまずけ。そして、泣き叫べ。『鈴木様、ごめんなさい』と。オイ、タイチ! ブチ殺してやる」

タイチ「やってみろよ。『殺す』だ!? やってみろよ。やってみろ、この野郎」

 

試合前のこのやりとりも、正しい鈴木軍のたしなみである。

こうでなければ鈴木軍ではない。

 

試合序盤は、鈴木みのるのほうからタイチにケンカを売り、パイプ椅子や場外での蹂躙といったダーティな試合展開を見せたが、途中でタイチがそれを望まず、鈴木に真っ向勝負のプロレスを挑みたいかのようなシーンがあった。

鈴木がリング内に3脚目のパイプ椅子を持ち込んだとき、タイチはそれを阻み「こんなもんしか使わねえのか!」と怒鳴ったのである。

そこから鈴木の “怒り” の表情が、突如 “歓び” の表情に変わったのを俺は見逃さない。

タイチは自ら、小細工無しのプロレスを鈴木に挑みたいという意思を見せたのだ。

凶器も反則も無し、変なオフザケも無し、ショートタイツもいつものように派手に脱がない。

いちプロレスラーとして、技とテクニックを駆使しての鈴木との闘い。それはまさにタイチの “覚悟” である。

 

タイチの破壊力のあるミドルキックに対し、鈴木の切れ味鋭いエルボーが炸裂する。

この打撃の打ち合いは、いつもタイチが近くで見ていたボスの闘いだ。エモーショナル。

タイチが繰り出すデンジャラスバックドロップやハイキックを喰らっても倒れることなく、とんでもないスピードでのロープワークをかます鈴木。

 

 

 

 

仲間同士の闘い、「強さ」を求めて同じ場所に集まった同胞が、さらに上を目指すために闘う。

デスペラードは、それを観ることもまた闘いだと言う。

ならばファンである俺たちも、この試合を、自らの “闘い” として見守ろう。

 

試合後、飯塚さんの形見であるアイアンフィンガーを見つめて何やらつぶやくタイチ。

飯塚さんと鈴木との絆は深い。

だからこそ、飯塚さんの魂がタイチに力を貸したのかもしれない(飯塚さん別に死んでないけど)

 

カタチあるもの、必ずいつかは終わりが来る。

俺たちの「鈴木軍」もいつか終わりが来るだろう。しかし、それはじゃない。

タイチと鈴木みのるの闘いは、ここから始まるのだ。

 

 



ジェイ・ホワイト VS 飯伏幸太

 

ジェイくん「俺はキングスイッチ、MSGをたった一人の力で完売させた男だ!」

 

ジェイくんすげー。

MSGを満員にした自慢をまだ言ってる。去年さんざん言ってたのに、まだ言ってる。もう500回は聞いたよね、この自慢。

メインイベント後の締めのマイクで5分くらいしゃべってたけど、日本語訳を見たら観客への悪口自慢しか言ってないの本当に好感持てる。

俺も、もし日本語の通じない職場で外国人に囲まれて仕事をしてたら、どうせ理解されないだろうからと悪口や悪態ばっかりつくだろう。

そんな人間味のあるヒール、ジェイ・ホワイトの佇まいに、俺は『男はつらいよ』の寅さんの姿を重ねてしまう。

巧みでしたたかなファイトスタイルとユーモアセンスの中に、オトナの不良の暗さを見せるジェイくんのセクシーさ、まさに寅さんじゃないか。

 

「この家で揉め事があるときは、いつも悪いのはこのオレだよ。でもなあ、さくら、オレはいつも、こう思って帰ってくるんだ。今度帰ったら、きっとみんなと仲良く暮らそうって」

 

そんな気持ちで新日本プロレスに戻ってきたであろうジェイくん(そんなわけねー)

札幌での勝率が桁外れに高いジェイくんのことだ、この日も問答無用で勝利し、またあのわけのわからない、寅さんの名物口上のようなマイクで締めるんだろうなあ。

なんてことを思ってワクワクしていたが、本当にその通りで最高だった。

 

始終飯伏を翻弄し、自らのペースで闘うジェイくんの動き、身体能力の高さというよりも、パフォーマンス能力の高さが際立つ。

試合中にマイクで観客を煽るジェイくんの姿に、真のエンターティナーの姿を見た。

フィニッシュに飛び出した、ノーモーション「ブレードランナー」の身震いするほどの鮮やかさよ。

 

ジェイくんが天才過ぎるので 100点満点

 

 

 

ウィル・オスプレイ VS 石井智宏

 

ノリに乗っているのが遠目からでもはっきりわかるオスプレイの躍動感。

ゾーンに入っているかのようなキレッキレな動きを、最初から最後まで持続させる集中力の高さは異常である。

そんなスーパーサイヤ人並みのスピード感をみせるオスプレイに対し、驚愕のタフさと重厚な攻撃力で対応していく石井さんもまた超人。

ギネス級のしぶとさで手数の多いオスプレイを押し込んでいくのである。なんちゅー試合だ。

オスプレイの凄さはその柔軟性かもしれない。技を繋げるパターンが無限大だ。

ストームブレイカーを狙って石井さんを持ち上げたとき、技にいけないと判断するや否や諦めてそのまま叩きつける技に変更する瞬発力が凄い。

本人も言っているが、最高のプロレスラーへの道を迷わず自信満々に歩み続けている。

 

100点満点!

 

 

ジェフ・コブ VS 鷹木信悟

 

ジェフ・コブの圧倒的なパワーを堪能できる凄い試合だった。

このひと、そんなに興味なかったが、会場で実際に目の当たりにするとなんとも魅力的な選手だ。

分厚い身体から繰り出されるブン投げ技の迫力と、そんな風貌からは想像できないほど軽やかに弧を描くムーンサルト。

“ガチムチ” はダテじゃない。

あの鷹木を持ち上げて、振り回して、きたえーるが揺れるほどの威力でマットに叩きつける。

これぞプロレスの醍醐味とも言える強烈なインパクト。

そしてこのジェフ・コブ、実は相当ハンサムなのである。みんな知ってた?

 

隠れイケメンだから 100点満点!

 

 



オカダ・カズチカ VS 高橋裕二郎

 

コロナ禍における裕二郎とオカダとの因縁勃発に、期待したファンは多いだろうし、裕二郎が諦めずに食らいつく姿に「次こそは」という執念も見えた。

このG1公式戦こそが、オカダを倒す最後のチャンスだったはずの裕二郎。

しかもオカダは初戦を落とし、まだ本調子じゃないのが一目瞭然で、かつ腰のテーピングも痛々しいので、弱点もしっかりと見せている状態だ。マジで大チャンス!

オカダに対して有効な攻撃も多かったし、試合展開として押していたシーンもあったが、フィニッシュのコブラクラッチであっさりとタップアウトしてしまったのは拍子抜けしてしまった。

 

裕二郎「あのオカダ・カズチカと、タダの試合じゃない、公式戦をやってるんだ。オカダとよ。『G1 CLIMAX』の、公式戦だよ。てことはよ、ってことはよ、俺は今、脚光を浴びているんだ。そういうことだよ」

※新日本プロレス公式HPより抜粋

 

まるでG1に出てオカダと闘ったことだけで満足しているかのようなコメントじゃないか。

そりゃないぞ裕二郎よ。

 

このコメントは 5点

 

 

 

 

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Comment

  1. リクアス より:

    コメントが追い付けない…しっかり読んでますからね!

    タイチが超えたというよりは並んだと言った方が正しいでしょうか。こんなもんしか使わねぇのかよ!とタイチの叫びに対しての鈴木みのるの嬉しそうな顔「やっとここまで来たな」と言っているようにも見えました。

    オスプレイのゴンゾボム的なやつヤバすぎません?
    そりゃあ石井さんも倒せますわ…

    飯伏ジェイはちょっと不完全燃焼?
    去年の決勝に比べて盛り上がりに欠けたような印象でした。

    • devonyamaoka より:

      どうも! コメント返信遅れてしまってすみません。読んでくださり感謝です。G1期間中は時間に追われてしまって。
      「タイチが鈴木を認めさせた」と言える試合だった気がします。いつかタイチがボスを越える日が来るかもしれませんが、それはまだで、これからその闘いが始まると俺は思います。オスプレイの試合は会場で見ていて迫力満点でした。飯伏ジェイは確かにコンパクトにまとまっていた気がしますねw

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