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【SHO VS 鷹木信悟】殺され続けた男が殺し返すカタルシス【NEW JAPAN CUP 2020】

 
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2年前の2018年10.8両国大会にて、鳴り物入りでロスインゴの新パレハとして登場した鷹木信悟は、その試合でSHOから容易く3カウントを奪った。

つまり結果的に “噛ませ犬” となってしまったSHOにとって、その試合が「呪い」のはじまりであったのだ。

翌年、1.4東京ドーム大会でのIWGPジュニアタッグ王座戦で、またもSHOは鷹木のラスト・オブ・ドラゴン葬を見舞われ、さらに『ベスト・オブ・スーパージュニア』でも、SHOは鷹木に対しありあまるフラストレーションをぶつけるかのような気合の入った攻撃を仕掛けるが及ばず敗北。

その「絶対に勝てない呪い」はSHOを追い詰め、ついにはプロレス以外の場所にも侵食してきたのか、矢野通プロデュースDVD『登別修学旅行』ではフリチンで温泉のスベリ台を滑らされたり、新日本プロレスワールドの特別番組『矢野トーク』では唐突にレトルトカレーの宣伝をやらされたりと災難が続くことになるのだ。

これはもう、普通なら霊媒師に除霊してもらう案件である。

とはいえ織田無道はインチキだし冝保愛子はもう死んだし、どうしよう。と途方に暮れたSHOがとったその意外な方法とは?

さあ皆さん、お手元のテレビリモコンの「dボタン」を押してクイズに挑戦だ!

 

Q「鷹木に絶対に勝てない呪い」を解くためにとったSHOの行動は?
【リモコンの4色ボタンで選択!】

 引退する

 YOHを生贄にする

 後藤洋央紀に除霊を頼む(しかし断られる)

 バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ!

 

正解はCMのあと!

 



正解:バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ!

貞子 VS 伽椰子

 

『NEW JAPAN CUP 2020』3日目は、第一試合の中でも特に過酷なブロックである。

どの試合も確実にヤバイ闘いになるのは明白なラインナップの中、「SHO VS 鷹木信悟」は第二試合。

ああ、これは新日本プロレス側からしてもこのぐらいの期待値の闘いであり、大番狂わせが無い「そこそこ良い試合」で収まるカードなんだろうなあ。

なんてことを思わずにはいられないほど、まるで結婚生活20年目の夫婦のように気持ちが冷めきって達観している俺(うるせえ)

 

がしかし、

 

入場してきたSHOの表情はそう、まるで怨霊のような形相、感情ほとばしる鷹揚な咆哮(※一応ラップです)

 

闘う前から鬼気迫る様子のSHOは、とんでもない迫力を身にまとっているではないか。

つまりだ。

SHOを突き動かすのは、もはや「勝ちたい」という勝利への執念ではなく、負け続けた「恨みのパワー」なのではないか。

「絶対に勝てない呪い」を除霊するのではなく、SHOは自ら怨霊となり「呪い」そのものとして「呪い」に打ち勝つ手段に出たのである。

 

魔をもって魔を祓う。

 

貞子の呪いにとり憑かれてしまったので、わざわざ伽椰子に呪われに行く、まさに「バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ!」の精神。非常に退廃的で好感が持てる。

言い換えれば “悪魔に魂を売った” とも言えるだろう。

ヘビー級に転向してからも実績を積み重ね、NEVER無差別級王者のベルトをも手にした鷹木信悟は、もはやSHOにとっては大く厚すぎる壁である。

そんな「10-0」くらい不利な闘いで勝利を収めるには、もはや怨霊になるしかなかった。

「恨み」が全面からあふれ出ているSHOの殺気は、初っ端から爆発していた。

 

殺す殺す殺す殺す殺す殺す。

 

などと小声で延々と口走りながら打ち込む強力なラリアット(怖い)

もちろん鷹木の頑丈な肉体にダメージを与えるのは難しく、SHOがどれだけ激しい攻撃をしても倍の反撃を喰らわす鷹木は強すぎる。

しかし、SHOが打ち込んでいるのは単なるラリアットでもエルボーでもなく、「恨み」のこもった攻撃なのである。

攻撃を受けるたびに呪いゲージが上昇し、肉体的ダメージとはまた違った生命力が奪われるシステムになっていることに異論の余地はないだろう。

一見余裕に見える鷹木が、徐々にSHOの呪いをその肉体に蓄積させていく。

そしてSHOは、鷹木の重たい攻撃を喰らい続けぶっ飛ばされながらも、ゾンビのように起き上がる。

復讐を誓った者の強さを見た。

試合終盤に、まるでKUSHIDAの動きを見るかのような鮮やかなアームロックを極めたSHOには感動した。

負け続けた者がついに勝利を掴むカタルシス。

物語はまだ続く。復讐を完遂したSHOの旅はここからはじまる。

 

 

誰よりも愛深き男タイチ、ついに愛は勝つ!

棚橋弘至 VS タイチ

 

「愛を叫び続ける男」と「愛を捨てた男」との闘いと言われていたが、結局のところ、「愛を捨てる」という行為には「愛」への異常な執着が見て取れる。

誰よりも「愛」が深く、そして「愛」を信じるがゆえに、捨てざるを得なかった男、それが聖帝サウザーであり、タイチなのである。

だからこそ「愛してまーす」などとヘラヘラと叫ぶ棚橋さんに憎悪を覚えずにはいられない。

愛などいらぬ!

愛などがあるから、人は哀しみ、涙を流すのだと。

棚橋さんのリングイン直後、いきなりのパワーボムでコスチュームごとぶん投げるタイチ。

またも事件かと思わせる殺伐とした空気が流れるのもタイチワールドならではである。

その後は、完全に大ダメージをうけた棚橋さんがずっとひどい目に合う。DOUKIもいるし。

しかもセコンドの辻くんがリングをバンバンやって非常にウルサイ。

この日の実況アナウンサーも必要以上にうるせーことで評判の男だったので、2重に騒音がひどいことになっているのはいかがなものか。

後半は棚橋さんも流れを作り、バックドロップをスリングブレイドで切り返すなど刺激的な反撃も見せるが、タイチが圧倒的すぎた。

タイチの「愛」に棚橋さんの「愛」が負けた。

最後に勝つのが「愛」だとしたら、この日のタイチの愛は誰よりも大きかったのかもしれない。

 

飯伏、片足を犠牲にしつつザック攻略

ザック・セイバーJr. VS 飯伏幸太

 

飯伏は入念なザック対策を施してきたようだが、結局ザックのスタイルは「臨機応変」ゆえに、どんな対策を講じようが崩されてしまう。

特に、飯伏のようにキレると危険をかえりみずに突っ込んでくるタイプの選手にとって、始終冷静なザックは非常に怖い存在だ。

我を失った時点でアリジゴクにハマってしまう。それで飯伏は負け続けているんだから。

しかし今回は、飯伏もなんとか自我を保てたようだ。

鬼のように強いザックの一瞬のスキをついてのカウンターで、膝蹴りを食らわせ技ありの勝利。

逆にザックに勝つにはこの方法しかないというか、狙って勝つのは相当難しいので、スピード勝負で畳みかけるしかないのだ。

膝十字とヒールホールドの複合技を何度か極められ、試合終了後には足をひきずっていたのが心配だ。

第二試合はまさかのタイチ戦である。ヤバイ。



巧者同士のスキルフルな闘い

田口隆祐 VS SANADA

 

田口監督らしい後半の畳みかけは非常にスリリングで面白かった。

しつこいアンクルホールドからスキをついてのラ・マヒストラルとか、マジでここで監督が勝ち切るストーリーが見たくもあったが。

序盤は、田口ジャパンへの勧誘のグータッチをめぐるダマし合いコントからパラダイスロックのボケまで、器用な者同士の攻防は緊張と緩和のバランスが絶妙で本当に面白い。

こういった試合もできるかと思えば、オカダや鈴木ととんでもなく激しい試合もできてしまうSANADAのプロレスラーとしての才能にビビるよね。

 

 

おまけ

 

鈴木みのるをキレさせた上村くんが本気でボコられていて、もはやこれは単なる “歓迎の儀式” じゃんとか思った。

 

 

 

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Comment

  1. デルピッポ より:

    昨日は全試合ベストバウトでしたね。特にSHOは遂にやってくれたか!と興奮して寝れませんでしたよ。
    対鷹木用に新技でも用意してるんじゃないかと思ってましたが、新技の変わりにラスト・オブ・ザ・ドラゴンをアームロックで切り替えし→ロープに逃げるところを回転して位置を入れ替えクロスアーム式パイルドライバー→ショックアローの流れはよく考えられたムーブで素晴らしかったです。デヴォンさんと同じで自分もKUSHIDAを思い出しました。それこそSHOはいつぞやのBOSJのKUSHIDA戦でグラウンド戦をやってるので次のSANADA戦もどう対応するのか楽しみです。
    負けたけど鷹木の魅せ方の上手さが光ってましたね。

    奇襲反則介入何でもアリだったとはいえタイチはもう押しも押されぬトップレスラーですね。
    今はBCがメンバー不足なので、タイチの鈴木軍としての勝つために何でもやる戦い方もより魅力的に輝いてた印象があります。そういう意味で棚橋がベビーフェイスとして良い仕事してくれました。
    辻のリングバンバンは正直邪魔でしたよね(笑)。トントン相撲かと思いました。

    • devonyamaoka より:

      どうも! この日はSHOの勝利とタイチの棚橋超えという2代イベントがあって凄いブロックでしたよね。やっぱり未来ある有能な選手が活躍して、上の人間を倒して進む姿は興奮します。これがあるからプロレスって面白いんですよね。タイチはこの先どこまで躍進するのか期待。そして対ヘビー級でもその実力が通じることを証明したSHOがYOHと決別する日を楽しみにしましょうw

  2. リック より:

    予定調和?いいや、王道だ。

    SHOのラリアットが素晴らしい説得力を備えていましたね。
    鷹木の魅せ方が上手いのは勿論ですが、それに応えるだけの力をSHOが付けてきた結果だと思います。

    そしてついに棚橋を超えたタイチ。
    2年前のNJCを観ていた身としては、本当に成長が見えて嬉しかったです。優勝して欲しいけどタッグあるしなぁ…
    というかタイチって内藤と因縁があって、飯伏棚橋に喧嘩売ってるって新日本の中でも最高級の相関図持ってますよね。

    考えてみたら伸び悩んでいるレスラーは相関図の線が少ないというかスカスカなんですよ、そういう見方をするのもまた一興と思いますので気が向いたら是非お試しくださいませ。

    • devonyamaoka より:

      どうも! SHOのパワーと破壊力はほんと説得力あって素晴らしいですよね。鷹木の巧さゆえってのもありますが、ちゃんと試合に説得力が生まれるかどうかはやっぱり本人の技量だと思うので、SHOは1年かけてそこを成長させてきたなと思います。あっぱれですよ。
      タイチもヘビーに転向してから着実に成長していて、今では地力の強さがちゃんと伝わる試合がでっきて、それでいて鈴木軍らしさも魅力として残しているから最高。棚橋・飯伏・内藤と、まさに因縁あるこの流れも含めてタイチに傾いている感じはしますね。やっぱ物語を盛り上げるための相関図って大事ですね。本当そう思います。

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