プロレスをこれ以上ないほど楽しむブログ

【2.9大阪その②】ヒロム「俺の気持ちはドラゴン・リー」【THE NEW BEGINNING in OSAKA】

 
この記事を書いている人 - WRITER -

 

作詞/作曲 高橋ヒロム

俺の気持ちはドラゴンリー
メインなんてどうでもいい
明日は明日ドラゴンリー
みんなの中にドラゴンリー

 

2.9大阪大会『THE NEW BEGINNING in OSAKA』の前日記者会見&公開調印式にて、記者による「メインイベントである内藤の2冠戦を意識していますか?」というしょーもない質問の回答として、ヒロムは即興でこの歌を歌った。

プロレス会場などではなく、おそらくショッピングモールのイベントステージみたいなところでの記者会見。

周囲はプロレスファンよりも店内を移動する一般客のほうが大多数であるような環境でも、ヒロムは「新日本プロレス」の異端児たる存在を破天荒なカタチでアピールしまくる。

 

本当に恐ろしい男である。

 

思わず俺は、プロレスのことを一切知らない通行人として、この現場に遭遇してみたい という欲望にかられてしまった。

高橋ヒロムの存在すら知らない状態でこの記者会見を見たら、果たして俺はどんな感情を抱くのであろうか?

 

俺のベルトはドラゴンリー
みんなわかってるドラゴンリー

 

まったく意味がわからない歌を突然歌いだし、しかも観覧席のファンに向かって手拍子やコール&レスポンスまで促す赤髪の男。

おそらくたまたまこのステージを見た、まったくプロレスに興味がない人たちの感想はこれ。

 

「そもそもドラゴンリーって何?」(※隣のマスクの人はリュウ・リーと紹介されている)

 

 



ヒロムとドラリーの壮絶なる生き様

IWGPジュニアヘビー級王座戦
高橋ヒロム VS リュウ・リー

 

大阪大会でもっとも度肝を抜かれた試合。

高橋ヒロムがドラゴン・リーと王座戦を戦ったあの日から582日の時を経て、2人の物語が再び動き出したのであった。

大きなケガを負った者とケガを負わせた者、立場は違えど両者は長い苦しみを耐え抜いて、ここに対峙した。

というわけで、もう当然というか、誰もが予想した通りに、いや予想以上にヒロムとドラリーの友情ファンタスティックバトルは熾烈を極めることになった。

初っ端から延々と続けられる意地と根性のチョップ合戦は、痛々しさの中にも2人の歓喜にも似た感情が伝わる攻防だった。

耐え続けるお互いのチョップの「痛み」が、彼らの生存本能を刺激し、このリング上こそが自分たちの生きるべき場所であるという認識を強化しているのだろう。

ヒロムとドラリーによる「闘い」という名の究極の対話は、徐々にエスカレートしていき、常人の理解を超えた世界へと到達する。

鉄柵に座らせたヒロムに、解説席までぶっ飛ばすドラリーのトペがさく裂したときのショックは忘れがたい。

あまりにもデンジャラスな攻撃ではあるが、これこそがヒロムとリ―が魅せたかった闘いだと思うと、「危険だ」なんて無粋なことを言う気にもならない。(実況席の棚橋さんは悲鳴をあげていたが)

 

棚橋「ヒロムが復帰したとしても、リュウ・リーにはしこりがあって、ケガをさせてからおそらくずっと苦しんでいたんです」

 

あの日のハプニングを吹っ切るための闘い。しかもドラリーにとっての。

つまり、この試合はド派手な技が飛び出す壮絶な闘いだったから面白かったのではなく、ヒロムとドラリーの無邪気すぎる生き方が攻防に反映されていたからこそ心に響いたというべきだろう。

息もつかせぬスピード感と畳みかける大技。

ヒロムはすでにここまで動けるほど完璧なコンディションに戻り、ドラリーはそれを全力で受け止められるほどの精神的な健全さを取り戻した。

このタイトルマッチは、2人の天才の最先端の闘いでありながら、ファンたちへの「もう心配はいらない」というメッセージでもあったのだ。

 

ヒロム「2018年7月7日。俺とドラゴン・リーはお互いに全力で闘い、お互いに心と身体に傷を負いました。その、大きな大きな傷が、2020年2月9日、大阪城ホールで癒えました。やっぱりやってて楽しいな。ドラゴン・リー、最高だ」

 

俺の気持ちはドラゴン・リー。。。

 

前日記者会見でのヒロムの即興ソングこそが、この試合のすべてだったのだ。

 

 

KENTAがデザインした刺激的な2冠戦

IWGPヘビー&ICダブル王座戦
内藤哲也 VS KENTA

 

1.5東京ドーム大会のフィナーレは、内藤哲也の夢であり、内藤を信じ続けたファンたちの夢でもある “ドームでのハポン締め” が実現する最大のチャンスだった。

そんな貴重な瞬間を無慈悲にも台無しにしたKENTAの凶行は、良くも悪くも新日本プロレス史上最強にショッキングな出来事となり、多くのプロレスファン(というかロスインゴファン)が混乱。

その戦場は、リングからtwitterへと広がり、個人的に見るに堪えない殺伐とした状況を作り出していた。

とにかくそんなKENTAが、内藤との抗争を自らデザインして、大阪大会までの前哨戦を盛り上げたのは間違いない。

 

内藤「彼は認めないかも知れない。彼、KENTA選手は認めないかも知れない。でも、ドームであれだけの行動を起こした覚悟、気持ちは痛いほど伝わってきた」

 

誰よりもKENTAの行動を認めていたのは当の内藤本人である。

前日記者会見でも2人の仲睦まじいコントが “能面のレプリカント” こと菅林会長越しに行われていたが、どう見ても彼ら同士はこの抗争を楽しんでいた(ように俺には見えた)

前にも書いたが、KENTAの行動を目の当たりにして嫉妬や危機感を覚えない選手はプロレスラー失格ではないだろうか。

近い未来に、1.5東京ドームのKENTA事件を中心にプロレスの歴史を見直す作業が必要になってくる気がする。

それほどまでに、あの令和最初のテロリズムはセンセーショナルな出来事だったのだ。

あれから一か月のあいだ、ロスインゴファンはKENTAに憎悪を抱き、KENTAファンは大阪での大波乱を期待するといった状況が続いた上での何かが起こりそうな2冠戦。

結論から言うと、当然のように何も起こらずに平和的かつ幸福感あふれるフィナーレで終わるわけだが、それでもKENTAはそのテロリストとしての意地を貫いて大いに楽しませてくれた。

バレットクラブメンバーを大勢ひきつれて、大阪城ホールを不穏な空気に包み込んでの入場。

初っ端からバレクラ劇場を展開させ、内藤お得意の “スーツの焦らし脱ぎ” をかき消す作戦も見事だった。

結局レフェリーに退場させられてしまうが、試合後半で再びしっかり乱入してくるあたりもセオリー通りで刺激的。

内藤ファンを少しでもゾッとさせてやろうという鬼畜な姿勢が見えて良かった。

しかし、ジェイくんがヒロムに阻止されて退場させられるという展開にはちょっと驚いたが(BUSHIさんが一瞬でやられたのは泣けた)

序盤に、KENTAがとぼけた顔してのらりくらりと透かしてばかりで、まともなプロレスをぜんぜんしないというくだりも、プロの仕事って感じで俺は個人的に楽しめた。

 

KENTA「まあ、このシリーズ通して、鉄也には、また1つ、なんだろうな、自分の中の何かをまた、こじ開けてくれたような気がするな、今回の試合を通じて。笑われたっていいよ。笑われるのわかって、もう1回だけ言うよ。今年は、オレの年だ」

 

KENTAは観客たちを巧みに操る術を手に入れたのかもしれない。

王座をめぐる戦いよりも、観客をイラつかせることを最優先にしたようなKENTAの行動に潔さを感じたのだ。

 

「KENTAのプロレス、お見せします」

 

リング上での裏切り、バクステでの挑発、さらにSNSまでも利用したメディアミックスな闘い方。

まさに極めて現代的で、かつ効果的。間違いなく今年は、KENTAの時代となるだろう。

 



そして、旗揚げ記念日へ

 

2冠を防衛した内藤哲也が、試合後に血まみれスプラッタ状態で呼び込んだのは高橋ヒロムであった。

 

内藤「練習生時代の高橋広夢をマンツーマンで練習をみてたのはボクですからね。ハッキリ言ってボクがいなければ、新日本プロレスに高橋ヒロムっていうレスラーは存在してないと思いますよ」

 

IWGP&IC2冠王者とジュニア王者の対決でありながら、まぎれもない師弟対決でもある夢のカード。

旗揚げ記念日だからこそ実現するこの豪華絢爛なお祭りに今からワクワクだ。

とはいえ、ひとつ不可解だったのは記者会見に乱入したヒロムが “実写版サイボーグ” こと菅林会長に直訴したこのコメントだ。

 

ヒロム「もし! 俺が勝った場合、例年『G1 CLIMAX』で発表される東京ドームのメインでのIWGPヘビー級挑戦権利証を俺にください!」

 

G1後のドーム大会メイン挑戦権利書?

そんな先の挑戦権をなぜこのタイミングで必要なのだろうか。

旗揚げ記念日で内藤にもし勝利したとしても、ドームまで内藤が2冠を保持している可能性は未知なんじゃないの? という素朴な疑問が浮かんでくる。

妥当なのは、せめてG1への出場権くらいではないだろうか。

そして、G1出場権を賭けると言えば、真っ先に浮かぶのはあの男。

つまりヒロムは旗揚げ記念日で内藤に勝利したのち、G1権利書の門番であり、その怪しすぎる風貌から空港の保安検査場でも要注意人物のレッテルを貼られて警戒されているあの男との対戦が必須。

ヒロムのヘビー級挑戦への道は、そこから始まるのだ。

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -

Comment

  1. デルピッポ より:

    ヒロムがあまりにもドラゴン・リードラゴン・リーと言うので、大人の事情でリングネームを変えなくても大丈夫だったのではと思いました(笑)。ROHにもドラゴン・リー名義で参戦してるみたいですしね。
    試合のほうは凄すぎましたね。凄すぎて引くレベルでした。実況席や観客も最後のほうちょっと引いてたのでは?
    もちろん頭から落とすプロレスを否定はしません。ヒロムもここまでやるのはリー相手だからでしょうし、以前の田口監督戦のような試合もできるレスラーなのは分かっているので次はもう少し落ち着いたプロレスも見たいですね。

    内藤vsKENTAは試合自体は正直あまり語る部分がないかな(笑)。試合前のKENTAのSNSプロレスは素晴らしかったので、他のレスラーにもどんどん絡んでほしい。
    旗揚げ記念日メインはロスインゴファン全員の希望通り内藤vsヒロムの師弟対決に決定し楽しみです。さらに言えば試合後のハポン締めの際にEVILかSANADAあたりが行動を起こす大チャンスですね。まぁ何事もなくロスインゴ6人全員登場でハポン締めの可能性のほうが高いでしょうけど…

  2. リック より:

    まさに肉体言語。
    ただいま!おかえり!と語り合うようなチョップ合戦は何故か飽きることなく魅入られてしまいました。
    ちょっと目を引いたのがリーのパタダスエネルペチョ。
    リング外に決める形だと前回はリングサイドへ直接自分も落ちていましたが、今回は一度エプロンに着地していたんですよ。
    後先考え無いスタイルから少し進化したリーの心境がちょっと見えたような印象的なシーンでした。

    KENTAは試合内容が〜とよく言われますけど、はたしてこの試合内容は本当に悪いのか?ということを冷静に考えるべきかと思います。
    確かに特筆して取り上げる場面はあまり無いかもしれません、ただ何かが起こるかもしれない不安と期待が常にあったと思うのです。それはやはり前哨戦やSNSで積み上げられた不安と期待であり、改めてそこを含めて「プロレスの試合」だと感じました。

    あくまで自分の話ですが、ある程度結果が見えたりあまり興味の無い試合って多少飛ばしながら観ることがよくあるんですよ。
    でも興味がある試合や楽しみな試合はじっくり1から10まで観ますし、結果も極力試合を見るまで情報遮断をします。

    少なくとも今回の内藤KENTAは自分の中で後者にあたる試合でした、色々な意見はあると思いますが自分の結論はそれが全てです。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© デヴォン式パイルドライバー , 2020 All Rights Reserved.