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【東京ドーム2DAYSその④】US王者、それは真に強き者の称号【WRESTLE KINGDOM 14】

2020/01/11
 
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2020年『WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』は2デイズという大バクチに挑み、動員的にも興行内容的にも大成功したと言っていいだろう。

2冠をかけて、連日のタイトルマッチを戦った内藤とオカダ、そして死闘の翌日に事実上の3位決定戦を戦ったジェイくんと飯伏。

トップ選手4人が、2日間の大きなストーリーの中で過酷な試合を戦い抜いたからこそ、この大成功が実現したことは間違いない。

しかしだ。

ドーム2連戦で、2日連続でタイトルマッチを戦い抜いたのがオカダと内藤だけではないことを、俺は声を大にして訴えていきたい。

USヘビー級王座戦は、さらにハードな試合内容でこの2デイズを盛り上げまくったのである。

王者ジョン・モクスリー。

この大会のために来日し、時差に負けない最高のコンディションでタイトルマッチ2連戦、さらに翌日の1.6ニューイヤーダッシュにまで登場。

驚くべきことに、2月の札幌大会『THE NEW BEGINNING in SAPPORO』の2連戦にも参戦が決定してしまっている。

2月の札幌なんてマイナス40度を超える極寒地獄。ちんちんで釘が打てるほどの寒さだというのに(寒さ関係ない)、そんなバツゲームみたいな我が地元に2日間も滞在させてしまうことに申し訳なさでいっぱい。

せめて全国的にもハイクオリティと言われるススキノのキャバクラを思う存分満喫して帰って欲しいな。

つまりモクスリーはとんでもないバイタリティで新日本プロレスを自ら楽しみ、盛り上げてくださっているのである。

彼のエンターテインメント精神が、このドーム2連戦を成功させた大きな要因のひとつであることは疑いようのない事実。

そしてモクスリーの持つUSヘビー級王座の価値も、この2日間で揺るぎない地位を確立させたと言えるだろう。



1.4、テキサスデスマッチの衝撃

USヘビー級選手権試合
ランス・アーチャー VS ジョン・モクスリー

 

皆殺しの挽歌、ランス・アーチャーの戴冠により、US王座のベルトに “バケモノ級に強いやつが持つベルト” という付加価値が付いた。

誰もがその強さを納得せざるを得ない存在がベルトを巻けば、そりゃあベルトの価値は爆上がりするはずだ。

そこに挑戦するのが、前王者であり世界的スーパースターのジョン・モクスリー。

バケモノ同士の頂上決戦がここに実現。しかもテキサスデスマッチという殺し合いである。

いったいどっちを応援したらいいんだ?

などというくだらない迷いはもう捨てよう。

アーチャーもモクスリーも死ぬ気で殺し合いをするのだ。俺たちは余計なことを考えずにその決闘をただ見届けるのみ。

どちらが勝っても負けても、それが天命。

ゴジラとキングギドラの勝負に、俺たちの夢や希望を託しても意味がないのと一緒である。

 

「テキサス・デスマッチ」は、どちらかが絶命した時点で勝敗が決まる、反則裁定なしの血で血を洗う果し合いである。

前にも書いたが、この強者2人が闘う対決方法としてロマンチックすぎるルールだ。

いつものようにどこからともなく入場してきたモクスリーは、リングにたどり着くなり早々にパイプ椅子を投げ入れる。

王者アーチャーはゴミバケツのフタを持参。

各々が描く理想のテキサスデスマッチがここに

 

 

そもそもアーチャーとモクスリーがこの大舞台で対峙すること自体がとんでもなく感動的ではないか。

入場シーンだけで目頭が熱くなってくる。

 

この試合、なんでもありなので、当然のように凶器が乱れ飛ぶ凄惨なバトルなのに、ハイクオリティなプロレスとしての威厳がまったく損なわれていないところが本当に素晴らしい。

バイオレントなのにエレガント。

相反するこの2つの空気を見事に醸し出してしまうアーチャーとモクスリーの高貴さにため息が出る。

フィニッシュは場外に設置された長テーブルへ落とすデスライダー。

テーブルが真っ二つに破壊され、アーチャーは血を流してあの世へと旅立った。

衝撃の10カウントノックアウトである。

しかしそこに悲壮感や絶望感など無く、ただひたすら感動と興奮があるだけであった。

 

 

1.5、あの男がついに現れる!

USヘビー級選手権試合
ジョン・モクスリー VS ジュース・ロビンソン

 

翌日1.5にジュース・ロビンソンとの防衛戦があらかじめ決まっているという流れが、多少納得できないというか、もっと上手くできないもんかと疑問が残るが、もはや何も言うまい。

 

モクスリー「USヘビー級のベルトを取り戻したら、次はジュースだ。あいつと決着をつけてやる!」

 

昨年10.14両国大会でのジュースとの防衛戦が、台風の影響による飛行機トラブルで流れてしまい、王者返上を余儀なくされたモクスリーの口惜しさもわかるし。

といったわけで、前日のテキサスを経て早々に防衛戦に挑むモクスリー。

まったくもってタフな男である。

対するジュースだが、前日のタッグ王座戦を見事勝利しベルトを奪取しているので、前日に戴冠した王者同士の闘いとなったわけだ。

ゴング前に仕掛けるなど、気持ちを見せたジュースだが、結局ダーティファイトではモクスリーに及ばないので常に後手後手に回ってしまう印象。

モクスリーと渡り合うには、彼のフィールドで闘わないことが一番だと思うが、まあそれが一番難しいんだよね。

それにジュースは、モクスリーに対して苦手意識を隠せない感じがある。

やはりモクスリー相手にはいつもの陽気さを封印せざるを得ないのか、つい自分のキャラを忘れて深刻な表情になりがちだったのが気になった。

結局、始終モクスリーの怒涛の攻撃に押され、お得意のナックルパートを3連続でくらわせるもKOするには至らずやられてしまったのであった。

前日のテキサスが凄すぎたし、まあ2連戦だからこんなものか・・・

などとノンビリとモクスリーの勝ち名乗りシーンを眺めていたその時!

 

 

このシーン、何度も見直してマジ泣きしている俺がいる。

突如、ドームに鳴り響く、聞き覚えのあるバイオリンの調べ。騒然とする観客たち。

 

教えてよ、人はなぜ探し続けるの?

限りなく切ない、明日の夢を・・・

 

今だからこそ、この歌詞の重みをダイレクトに感じることができる。

デビューから30年以上たってもいまだ最前線で闘い続け、挑戦することを辞めない男、鈴木みのるの生き様そのものじゃないか。

探し続ける明日の夢、その通過点として避けては通れないモクスリーとの闘い。

中村あゆみが25年前に鈴木みのるのために作詞・作曲し、今では “世界一有名な日本の楽曲” として名高い『風になれ』が、年月を重ねるほどにその意味を明確にしてゆく。

不敵な笑みで花道を歩く鈴木みのるは、おもむろにジャージを脱ぎ捨て臨戦態勢でリングへと向かう。

なんなんだこのカッコ良さは!

なんでこんなことが出来るんだこの男は!

ドームに響く「かっぜっになれー!」の大合唱と共にリングインし、モクスリーと対峙するボス。

会場の空気を一気にスペシャルな高揚感に変える鈴木みのるの存在感の大きさたるや。

ハッキリ言って今回のドーム2連戦における俺の中でのベストシーンであり、この瞬間に勝るカタルシスは無かった。

まるで今から試合本戦が始まるのではないかとも思える緊張感で、ボスとモクスリーはエルボー合戦を開始。

そして、タイトルマッチ直後で疲労困憊のモクスリーをゴッチ式パイルドライバーでなんなくKOしたボスはマイクを手にする。

 

鈴木「オイ、このクソ野郎。誰にケンカ売ってんだ、この野郎。俺はな“プロレス王”鈴木みのるだ。こいつの売ったケンカ、俺が買ってやる!」

 

モクスリーがボスにケンカを売ったのはいつか?

それは昨年12.8広島大会でアーチャーのUS王座挑戦のアピールで乱入してきたときである。

ターゲットはアーチャーだったはずだが、実は明かにボスのことも気にしており、デスライダーをも喰らわせているので、そのときの因縁をこのタイミングで持ち出してきたということだ。

ボスのUS王座挑戦が実現!

その殺気と闘争心をエンタメに昇華させたという意味で、まさに “同じタイプのスタンド” とも言えるこの2人の対決が、面白くならないわけがないのだ。

 



まとめ

 

2冠戦の最後に乱入してチャンピオンを痛めつけたKENTAとほとんど同じことをしているのに、ボスの乱入&チャンピオン襲撃には大歓声とみのるコールが巻き起こった。

タイミングというか置かれた状況を同じに見て比較するのは間違いだと思うが、それでも鈴木みのるのスマートかつ美しい乱入の仕方には痺れた。

入場曲を流してのサプライズ襲撃が成り立つのも、その楽曲の認知度や選手に対する期待度の高さがあってこそだと思う。

とにかくボスの登場は反則すぎた。

最高である。

つづく

 

 

 

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Comment

  1. アイアンフィンガー より:

    WORLDに入れなくてイライラして、やっと入れたと思ったらジュースのナックル→MOXのデスライダーそしてMOXの勝ち名乗り!
    間に合いましたよ!この瞬間!もう一人で興奮しまくりでした!私もここがドームでのmaxサプライズでした!
    いや本当にMOXさん継続参戦ありがとうございます。
    北海道本当にいいカードですね!きっとこの熱さで雪も溶かしてくれるでしょう。ただYOSHI-HASHIとアーチャーも北海道で見たかったですよね?

    • devonyamaoka より:

      どうも! ワールドのアクセス集中で、途中でけっこう入れない人が多かったみたいですね。でもボス登場が見れたならすべて許せるw MOXさんの新日本愛も本物ですな。札幌大会は仕事の関係でスケジュール微妙なんですが、なんとかして行きたいと思います! ヨシハシは遠いアメリカでブーイング受けて鬼神化希望!

  2. リック より:

    USベルトは最もバイオレンスな男に与えられる称号。

    外国人選手がとりあえず狙うベルトのような扱いからモクスリーそしてアーチャーのおかげで明確な立ち位置が確立されたと思います。
    しかし、この2人でハードルが上がりすぎたのも事実。次の挑戦者は期待値高すぎて気の毒だな…なんて考えていた自分が恥ずかしい。

    きたぁーっ!鈴木みのるだぁーっ!
    思わず漫画のように叫んでしまうほどのサプライズ。
    日米バイオレンス戦争待った無し。

    鷹木がIWGPとICが過去最高の輝きと言っていましたが、本当の意味で過去最高に輝いているのはUSでしょうね。

    • devonyamaoka より:

      どうも! バイオレンスなベルトの位置づけは、ほかのベルトとの明確な差別化となって最高ですね。アーチャー、モクスリー、次の挑戦者ボスていうとんでもない展開で、じゃあもうボスの次に誰が来れるんだ? って恐ろしくなってしまいますw 札幌ではオカダとMOXがタッグ組むし、US王座絡みで新たな景色がどんどん広がるのがたまりません。
      NEVERも鷹木が奪取したらまた景色がガラッと変わりますね! ニュービギニング熱いっすw

  3. ヨンタロウ より:

    ボスにしびれましたね。
    新日本プロレスで殺気を感じられるのはボスしかいない‼️

    • devonyamaoka より:

      どうも! ほんとあの殺気がモクスリーに向けられているという展開に震えが止まらないっすw あの登場シーン何度も見て泣きました。

  4. ogotch より:

    鈴木みのる、という男のケンカの売り方と
    KENTA、という男のケンカの売り方。

    この違いを考えさせられましたね。

    モクスリーに「真っ向から」宣戦布告した後
    男一人、ふき荒(すさ)ぶ荒野を行くが如く
    悠然と花道を進む鈴木みのる……。

    シビれますよね、カッコいい。コレは。(笑)

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    でも、正直言うと「この姿勢」って
    鈴木みのるさんがいた頃に存在した
    「新日本プロレス」のレスラー達が
    ケンカをする姿勢だったんですよ。

    男と男が小細工なしの真っ向勝負で
    ケリをつけるためにリングに上がる。

    当時はソレが普通の新日本プロレスだったので
    気にも留めませんでしたが、鈴木みのるさんは
    あの頃の新日本プロレスの姿勢そのまま。

    そこの芯が全くブレていないのですね。

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    それで、気づいたんです。

    「新日本プロレス」の「プロレス」部分は
    棚橋さんや他のレスラー達が持っていった。

    しかし「新日本」の核になる部分。

    それは鈴木みのるさんが今、一番持って
    リングに上がっているんじゃないか。

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    実は「鈴木みのるが『新日本』」なのだ、と。

    「新日本」の思想で作られたチームが
    「鈴木軍」というチームなのだ、と。
    (あらゆる技能のプロの集まり)

    これが個人的な、この項の結論です。

    • devonyamaoka より:

      どうも! 新日本の「核」となるもの、確かに鈴木みのるの中にしっかりありますよね。どの純粋培養レスラーよりも、そのへん濃厚にある気がします。だからプロフェッショナルな選手たちがその下に集まって、少しでもボスから吸収したいって思うのかもしれませんね。モクスリーの試合後に現れたのときに観客の熱狂と期待値がまさにそれを証明していると思います。ogotchさまの結論に全面同意!

  5. ふうさん より:

    どうも!
    風になれ!が流れた瞬間、鳥肌立ちました。
    今年一番感動したわー。ってまだ始まったばかりだけどw
    昨年12月26日正午にネットで軍団着9ゲットしました。
    正装wして3月の長岡2連戦、観に行ってきます。
    鈴木軍、いちばーん!

    • devonyamaoka より:

      どうも! 俺も何度もあのシーン見返して泣いてます。間違いなく今年のベストシーン候補ですよ。クリスマスプレゼントに軍団着! 素晴らしいっす。
      正装での観戦は、間違いなくNJCみのる優勝の祝杯をあげるときですね! 期待しましょう!
      鈴木軍、いちばーん!

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