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【7.24広島】内藤VS石井、プロレスと言う名の圧倒的映像体験【G1 CLIMAX 29】

 
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プロレスの楽しみ方は千差万別。

スポーツとして楽しむ者、ストーリー展開を楽しむ者、パフォーマンスやLIVE感を楽しむ者、好きな選手のビジュアルとその活躍を楽しむ者、などなど。

人それぞれプロレスの見方も目線も楽しむポイントもまるで違う。

だからこそ、それが多角的な面白さに繋がり、奥深い魅力になるのだ。

ちなみに俺は、プロレスをひとつの映像作品のような感覚で楽しんでいる。

1試合、1試合に1本の映画のような起承転結があり、絶体絶命があり、さまざまな感情が交差し、予測不能なエンディングへと向かう。

CGを駆使したアクション映画並みの闘いや演技派俳優しか到達しないような抜群のパフォーマンス、そしてたった数十分の試合の中に散りばめられた圧倒的な数の情報量。

プロレスがエンターテインメントである理由は、そこに大衆性だけでなく芸術的側面も同時にあるからだと思っている。

たとえばG1クライマックスの公式戦は、ひとつの試合に多くの興奮や感情がつまっていて、もはや単にリーグ戦における「2点」をめぐる争いなどとは到底思えない。

肉体と精神を限界まで酷使しての決死の攻防の末に、選ばれし者が勝者となる。

そのハードさと過酷さ、勝敗で容赦無く現実を突きつける無慈悲さ、なにもかもが芸術的なまでに観客の心を揺さぶってくる。

7.24広島大会、内藤哲也VS石井智宏の闘いジョン・モクスリーVS鷹木信悟の闘いに嫉妬を覚えないプロレスラーはいなかっただろう。

実況席で小島聡が、その温厚で人懐っこい声でゲスト解説をしつつも、心の中で焦りと悔しさの炎を燃やしていたことは想像に難くない。

 



限界突破のプロレス大戦争

G1 CLIMAX 29 Bブロック公式戦
内藤哲也 VS 石井智宏

 

映像作品としての価値から見ると、この試合ほどエキサイティングな攻防は他では表現することが不可能かもしれない。

どれほどエキサイティングだったかと言うと、翌日納品予定の原稿を一文字も書いていない焦燥感の中で観戦していたにもかかわらず、思わずクライアントに電話して仮病を理由に納期を延長してもらおうかとしたほど凄い試合だった(試合後にちゃんとやったが)

 

石井さんの試合が飛びぬけてアツいのは、そこに病的なまでの“負けず嫌い”があるからなのは周知の事実だが、対峙する内藤もまた類まれなる挑発能力を持つ者であるゆえに、この試合には単なる公式戦以上の緊張感が漂う。

 

“負けず嫌い”を煽られることで、石井さんはさらにパワーアップする。

一般的に「怒り」というものは、勝負事においては冷静さを無くす要素であり、マイナスに働くことのほうが多いはず。

しかし、石井さんの「怒り」の場合は、攻撃力やパワーの向上だけでなく、体力、スピード、洞察力、判断力、直観力など、なぜか知らないが全ステータスが向上してしまうのでタチが悪い。

怒れば怒るほど強くなる。

まさに「酔拳」の怒りバージョンなのだ。

だからこそ内藤も、あえて石井さんの爆発を引き出すことで、それを自分自身のリミッター解除のきっかけとしているのだろう。

 

限界突破した2人の、プロレスラーとしての威信を懸けた戦争

大量破壊兵器の禁止条例に軽く違反しているような殺人的な大技が次々と繰り出され、試合中は2人ともそれぞれ3回ほど死んでいるが、即座に生き返ってまた戦いだすという凄い光景であった。

内藤と石井さんという2人の信頼感や今までの関係性があってこその闘いだったのは間違いないが、勝敗の結果やどちらが強いか? といった次元とはまるで違う、闘いの中に真実を求める者同士の戦争が、そこにはあった。

 

ハポン締め久々に見たけど、このカタルシスに酔う人の気持ちもわかるね

 

 

 

二足歩行の狂犬、とんでもない知的攻防

G1 CLIMAX 29 Bブロック公式戦
ジョン・モクスリー VS 鷹木信悟

 

「なんで狂犬が二足歩行なんだッ!!!」

 

というミラノさんの今世紀最高に意味不明な絶叫がこだました地獄のヒザ殺しライド。

“ロックンロール”という言葉がいちばんしっくりくるジョンモクの佇まいに、興奮しない男子などいないと断言する。

俺はジョンモクを見るたびに、ドアーズの「THE END」が気怠く流れる『地獄の黙示録』のオープニングを思い出すのだ。

轟音と共に木々を揺らしてアメリカ軍のヘリが上空を飛び交うかのように、観客席の合間をぬって現れるジョンモクの圧倒的オーラ。

それに対峙するのは、日本のロックンローラー鷹木信悟の矢沢永吉然とした佇まい。

日米ロック対決。

ジム・モリソンVS矢沢永吉。

そんな夢のステージが見てみたい。

 

ジョンモクの奥深さはプロレスの奥深さそのものであるかのようだ。

WWEのスーパースターという派手な印象ながら、ハードコアな試合もすればテクニックを魅せつけるような巧みな試合もできる。

さらに、今回の鷹木戦のように綿密な作戦に基づいた詰将棋のような闘い方もしてしまうところに素直に感動する。

相手によってそのプロレスの姿を変える、器用さと柔軟性に魅力を感じずにはいられない。

序盤に出て来た長テーブルの存在をいつの間にか忘れさせておいて、クライマックスで再び機能するという伏線の張り方が見事。

ケニーやジェリコのときには余計な仕掛けにしか感じなかった長テーブルだが、ジョンモクのそれは自身の奏でるロックにおける、まるでレイ・マンザレクのオルガンのように美しい演出効果のひとつとなっているのだ。

 



まとめ

 

冒頭に書いたとおり、プロレスの見方なんてのは人それぞれで、どんな楽しみ方をしようがそれは自由だ。

というか、絶対に自由でなきゃいけない気がする。

これからプロレスがどんどん認知度を上げて、エンターテインメントとしての市民権を得るためには、ファンたちの自由な見方や自由な目線、そして自由な感想や自由な発言を奪ってはいけないのではないか。

自由にやりすぎて批判を浴びている俺が言うと単なる言い訳にしか聞こえないので困るが。

 

 

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Comment

  1. デルピッポ より:

    内藤石井はハズレなしですよね。いつまでも見たいカードですけど内藤は37歳で膝はボロボロだし、石井は43歳で試合後吐いてたらしいし心配なところではあります。
    モクスリーのパンピングボンバー受けとメイドインジャパン受けが素晴らしかったですね。
    モクスリーはラフファイトの印象が強いですが、それ以外の部分を見ると基本に忠実で繊細さもある横綱相撲スタイルという感じがします。そういう部分はオカダに近いかもと思いました。

    • devonyamaoka より:

      どうも! 内藤と石井さんの試合は凄いんだけど、そう何度もやるような闘いではないですよねw いろいろ犠牲にしながら戦っている気がします。
      モクスリーは対応力すごいから、攻撃も受けもテクニックも素晴らしいです。鳴り物入りで参戦した外国人スターなのに、新日への溶け込み具合がハンパないw オカダとの決勝戦を期待しています。

  2. いち飯塚さんファン より:

    内藤VS石井もうG1名物ですよね!しかも期待値高いのに毎回その期待値を越えてくるのが凄い!これぞプロですよね!石井と内藤後、十年見たいですね。

    • devonyamaoka より:

      どうも! ため息つくほどの名勝負でした。面白いとわかっているのに、なおその上をいく攻防ってマジで凄い。でもやってる方も見てる方も、いろいろ消耗しすぎる感あるんで、たまに見るくらいがちょうどいいですw

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