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【7.7ダラス開幕戦】早朝に爆音で奏でられる皆殺しのメロディ【G1 CLIMAX 29】

 
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「真夏のライオンキングダム」、いや違う。

ランス・アーチャーにとって、この大会は「皆殺しのバトルコロシアム」である。

誰もが認める実力を持ちながらも、新日本プロレスの権力によってその力を押さえつけられてきた不遇の男が、今までいいように扱われてきたストレスを一気に解放して、レスラーも関係者も観客も女子供も見境なしに皆殺しにする絶好の場。

 

殺せ! 殺せ! 殺せ! 皆殺しだ!

 

ダラスに到着した瞬間に、悪質なタクシーにスーツケースごと盗まれた琥珀うたのぶんまで皆殺しにしろ!

カップになみなみに注いだコーヒーを手に、キッチンから仕事部屋に移動している最中にクシャミをしてしまい、廊下に思いっきりコーヒーぶちまけた俺のぶんまで皆殺しにしろ!

あと、税金上げる連中全員皆殺し!

ウインカー出さずに右折する車のドライバー皆殺し!

迷惑メールや詐欺メール送ってくるヤツ皆殺し!

 

権力に翻弄されてきた人間の代表として、世界中のストレスを一身に背負ったランス・アーチャーが奏でる皆殺しのメロディ。

はぐれ者の鈴木軍が、より極悪で支配的な新日本プロレスという組織を皆殺しにするというエモーショナルな図式に感動を隠せない。

俺は鈴木軍ファンであり、また社会に摂取される側の存在として、アーチャーの活躍には八つ当たりにも似た爽快感を覚える。

 

アーチャーの勝利こそが反体制の勝利である。

 

俺たちなんかがどう頑張っても理想の社会になるわけないんだから、もうアーチャーの皆殺しを楽しむしかないじゃないか。

なあ兄弟、信じられるのは暴力だけだ。

しかも圧倒的なパワー。「全員殺してやる」という強い意志。

人間の優しさなど偽善だし、「愛」なんてものはこの世に存在しない。

確かなのは「死」だけだ。
そして「絶望」と「孤独」こそが俺たちの未来なんだ。

そんな人生の寂しさや虚しさを、ランス・アーチャーは「皆殺し」を魅せることですべて肯定してくれるんだ。

ありがとうアーチャー、今年のG1はあなたのための大会だ。間違いない。

7.7アメリカ・ダラス『G1 CLIMAX 29』開幕戦は、こうして甘美なる皆殺しのメロディと共に幕を開けたのであった。

 

 

ランス・アーチャーの美しき暴力

G1 CLIMAX 29 Aブロック公式戦
ランス・アーチャー VS ウィル・オスプレイ

 

開幕の公式戦最初の試合が、この日のベストバウトになってしまう衝撃。

IWGPジュニアヘビー級王者のウィル・オスプレイは、言うまでもなく階級など気にならないほどの絶対的強者である。

ジュニア戦線でトップとして闘いつつ、ニュージャパンカップに出場。さらにNEVER無差別級王者も戴冠し、文句なしのG1エントリーとなったオスプレイに関して、階級について言うのは野暮というもの。

しかも、いま最も新日本に推されている外国人スター選手であり、同じレスラーとして日本で同棲している彼女もめちゃくちゃセクシー。

 

いいなあ。

 

つまり、アーチャーに殺してもらわねばなるまい。

 

そんな俺たちの期待(というか僻み根性)を知ってか知らずか、アーチャーは完全に皆殺しモードにイメージチェンジして登場した。

「汚物は消毒だ~!」と言わんばかりの風貌で現れたアーチャーの手には火炎放射器が。

躊躇せず観客席にむかって炎を放射し、火だるまになってのたうち回るヤンキーたち。

黒焦げの死体と人肉の焼ける香ばしいニオイの中、リングインしたアーチャーの、まさにアメリカン・サイコな姿に異様な迫力を感じずにはいられなかった。

 

G1クライマックスは、ハードで過酷なリーグ戦。

開幕戦の一発目からとんでもない攻防が展開し、日本時間で早朝の観戦、しかもほとんど寝起きで頭も回らない中だというのにとんでもなく刺激的。

パワーとスピードを併せ持つアーチャーの迫力満点の攻撃、しなやかで柔軟なオスプレイの華麗なる動き。

プロレスの魅力が存分に詰まった完璧なエンターテインメントとなっており、この試合をG1の初戦に持ってきた新日本プロレスの確かな選択眼に唸るばかりだ。

 

アーチャーの強さは、鈴木軍ファンであれば十分わかってはいるつもりだったが、この試合のそれは、俺たちの想像をもはるか上回る強さと魅力に満ち溢れていた。

フィニッシュのEBDクローの説得力たるや。

シンプルすぎるアイアンクローなのに、このカッコ良さは何事だろうか。

暴走機関車のごとくぶちかます交通事故タックルや雪崩式ブラックアウト、キン肉バスター、場外テーブルへのチョークスラムなど、その過激な暴力に魅了されてしまうほど、アーチャーの「皆殺しイズム」が美しく際立った試合であった。

 

感無量。

 

100億点満点!

 

 



今世紀最高のテクニック合戦

G1 CLIMAX 29 Aブロック公式戦
SANADA VS ザック・セイバーJr.

 

ザック「SANADAと俺の試合をアメリカの観客に見せることは、本当にムダなことだと思う。俺たちの洗練されたテクニカルな技術の高い試合をアメリカの観客に見せるってことは、まるでシェイクスピアを犬に読んでやるようなくらい、ムダなことさ」

 

これはSANADAに対する最大の賛辞ではないだろうか。

ザックは確実にSANADAのテクニックを自分と同等と認めており、だからこそ2人の高尚な攻防を「シェイクスピア」に例えたのである。

悪態の中にもしっかりと対戦相手へのリスペクトを忍ばせるコメントセンスがザックの魅力だ。

 

それにしてもこの試合、ザックの言う通りまさに洗練された芸術作品のような闘いだった。

いや、シェイクスピアをたとえに出したからには、詩的かつ扇情的、最初から最後までが劇的な流れで展開するひとつの物語。

グラウンドの攻防でここまでの完成度を魅せつける2人のパフォーマンスの能力の高さに、犬同様の感性しかないアメリカ人ですらも興奮していたのがその証拠だ。

SANADAの勝利も見事としか言いようのない流れだった。ほんと最高だ。

 

改めて、ヨシハシなんかがG1出場権を獲得しなくて本当に良かった。

彼はこの試合を観て「俺だったらもっと凄い試合をしてやる」と一瞬でも思っただろうか?

それくらい思えないようであれば、二度と「G1に出場したい」などと言うべきではない。

 

 

新日本プロレスが世界に誇る一戦

G1 CLIMAX 29 Aブロック公式戦
オカダ・カズチカ VS 棚橋弘至

 

正真正銘、新日本プロレスが誇るスター同士の鉄板バトルが、アメリカの地で実現した。

オカダと棚橋、プロレスの歴史に燦然と輝く大いなる伝説。

2人が対峙しただけで、アメリカのファンは大熱狂し、夢の一戦をむさぼるように満喫するのである。

異国アメリカでの試合とは思えないほどの圧倒的な熱狂とスケール感。

いや、アメリカだからこその観客の熱量なのだろうか。

とにかく、俺たち日本人にとって「新日本プロレスが好きであることを誇りに感じる」と言う意味で最高の試合であった。

棚橋さんのコンデイションも珍しく良かったことも大きい。

封印していたハイフライフローを容赦なく繰り出し、その迫力を改めて感じさせてくれた。

 

 

その他の公式戦

G1 CLIMAX 29 Aブロック公式戦
バッドラック・ファレ VS EVIL

ファレは多少デブだが、強さの説得力は抜群である。

さらに、インサイドワークにおいてもEVILの上をいく闘いをしていたのが、貫禄を感じさせてとても良かった。

アメリカ人気の高いEVILがまさかの初戦敗北というのは驚きだったが、試合内容は納得&とても楽しめた。

 

G1 CLIMAX 29 Aブロック公式戦
KENTA VS 飯伏幸太

KENTAは多少緊張ぎみではあったが、今後に期待せざるを得ないであろう。

G1公式戦が今回新日本参戦して初の試合になるというプレッシャーを思うと、KENTA自身はもちろんだろうが、観戦している俺までもかなりハラハラしていたのだ。

解説の真壁さんも言っていたが、飯伏は新日本プロレスの代表として外敵を迎え撃つ感が出ていてなんか感慨深かった。

しかし、途中で試合を見守る柴田の姿が抜かれるのはちょっと反則な気がした。

 

 



まとめ

 

ついに始まった真夏の最強決定戦G1クライマックス。

しかしそこに鈴木みのるの姿は無し。

つまり最強決定戦とは認められない疑惑の大会ゆえに、俺のテンションも一向に上がる気配が無い。

だが、まだ望みは捨てていない。

この大会が、今後展開する何らかの物語の序章となるであろう期待を胸に、公式戦を追っていきたいと思う。

 

そして、決戦を経て何ひとつ変化を見せない相変わらずのヨシハシ

 

ヨシハシ「後藤さん、いままで、ちょっとシリーズ出てなかったけど、今日ひさびさにタッグ組んで、なんか言葉じゃなくて、熱いものを試合中に凄い感じたから、俺もこのまま負けてられないって。凄い肌で感じました。また、俺は俺でやるだけですね

 

「俺は俺でやるだけ」とはどういう意味なのか?

 

いったい何をやるのか?

何かをやるつもりなのか? はたまた「何もやらない」ということをやるのか?

目的もなくただ「やるだけ」と言っているだけなのか?

ヨシハシは、いつ、どこで、どうやって、何をやるつもりなんですか?

誰か教えてください。

 

 

 

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Comment

  1. いち飯塚さんファン より:

    EBD何と素晴らしい言葉だろうか!夜勤明けで疲れた体ではありましたが、一気に眠気が吹き飛びました!流石アーチャーとオスプレイ期待を、裏切らない試合でした。オカダと棚橋もこれぞ新日本という戦いでした。改めて流石棚橋さんという試合でした。そして相変わらずの崇高な作品を見せつけてくれたザックとSANADA本当にヨシハシじゃなくて良かった。
    そしてオカダとアーチャー、ザックとオスプレイの試合が組まれてる香川にも行きたいです( ノД`)…

    • devonyamaoka より:

      どうも! 早朝のぼやけた頭にガツンときた初戦でしたね! EBDこそ、いま新日にもっとも足りない要素だったのかもしれません。漂う殺意と狂気が、今年のG1を面白くしてくれるでしょう! ザックVSサナダも集中力の途切れない綿密な試合でした。ほんと、ヨシハシはあの試合観て危機感もたないとですよね。アメリカ大会ならではの空気感もあって、非常に刺激的な大会でした。残りは日本での試合ですから、また違った刺激を見せてくれるはず。現地での観戦、楽しんできてください!

  2. デルピッポ より:

    オスプレイvsアーチャー、SANADAvsザックは甲乙付けがたいですね。
    NJCでのオスプレイ戦も評価が高かったとはいえ、誰がアーチャーのここまでの覚醒を予想できたでしょうか?
    ビジュアルの大幅チェンジ、オスプレイの大技をガンガン受ける献身性、説得力抜群の新フィニッシャーEBDクロー。久々にスーパーヘビー級でタイトルを狙える外国人レスラーだと期待させてくれる試合でした。さすがに年齢的なこともあり終盤戦失速しちゃいそうな気がしますが、オカダ戦勝利からの秋にIWGPヘビー挑戦あると思ってます!
    SANADAvsザックのあのグラウンドの攻防は本当に最高ですね。ザックがSANADA相手にはグラウンドで上を取れなくてイライラするというのが面白い。
    オカダがSANADAをライバル認定し、会社としても段々とそういう図式にしていきたいのかもしれませんが、SANADAの真のライバルはザックだと思いましたね。ザックの試合後コメントでもSANADAのこと滅茶苦茶認めてますし。

    棚橋もまぁまぁ動けてたし新日を代表する黄金カードをアメリカの観客に見せれたのは良かったですが、これまでG1での対戦では全て引き分けだったオカダ戦でついに決着が付いてしまったあたりにファイナルカウントダウン1章目という雰囲気を感じてしまいました…

    • devonyamaoka より:

      どうも! 初戦のアーチャーがとんでもなく素晴らしくて、さらにサナダザックのテクニック合戦、メインのスター対決と、抜け目のないラインナップに悶絶必至の開幕戦でした。EBDクローのインパクトはマジで凄いっす。アーチャー、とんでもない必殺技を編み出しました! マジでベルトに絡んで欲しい。
      ザックとサナダの相性の良さと攻防の美しさには惚れ惚れしますね。サナダは鈴木とも手が合うし、オカダ、飯伏なんかともスイングするし、とんでもなく万能な選手だなと改めて思います。
      棚橋さんの活躍は素直に嬉しいですが、たしかに哀愁が凄いですね。ファイナルカウントダウンがどれだけ続くかわかりませんが、そんな予感を大いにさせる試合でもありました。

  3. リック より:

    EBD!EBD!
    スーパーヘビー対スーパージュニアはこうあるべきという理想を実現してくれる様な最高の試合。
    すげー!すげー!と馬鹿みたいに騒ぎながら見てしまいました笑
    今のアーチャーならneverやICに絡める実力は間違いなくありますが、ブロック違いなのが残念です。

    SANADAザックは起源にして頂点のプロレス。
    リマッチ地獄という言葉がありますが、この2人はいつまでもリマッチして欲しい。つまりヨシハシは下がってろ。

    KENTA はハードルが上がりまくっていましたが、それを見事に下回りましたね。感想としては、「なんかKENTA が蹴ってたら飯伏が負けてた」って感じです。
    先のBOSJでバンディードが変形g2sを繋ぎに使用していたのもありますが、g2sの説得力が無さ過ぎる。モクスリーでもフィニッシャーを改良していたのですからもう少し説得力を持たせる改良が欲しい。

    あと後藤はまさかあれで終わらないですよね?新フィニッシャーありますよね?衣装変えますよね?入場曲新しくなりますよね?
    …ね?

    • devonyamaoka より:

      どうも! そうか、よく考えたらAブロックのベルト保持者はIWGPのオカダとブリティッシュのザックしかいないんですね。となるとマジでそのへんと王座戦絡みの展開あるとしたら見たいっす。ブリティッシュも面白そうw
      サナダvsザックにはタメ息出るほど感動しました。フィニッシュも最高にエクセレントでしたし、あの2人はまさしく頂点って感じですね。
      KENTAは次に期待しましょう。緊張してたしw
      後藤さんの変化は、公式戦まで温存している。と、思いたいですw

  4. いつも楽しく腹を抱えながら
    拝見させていただいております。
    さて、G1始まりましたね!
    素晴らしい試合の連続に拍手です👏

    ヨシハシさんは何がしたいのか?
    ヨシハシさんは何ができるのか?
    ヨシハシさんは何をするべきか?
    変わりたくても変われない・・・
    変わる気すらまったくない・・・
    変わらなければ置いてきぼり。。
    (老い的ぼり)
    裕次郎かタイチのディーバーを
    横取りするしかないのでは???
    (両方とも手にするのも有り!!!)
    ギンギラギンにさりげなく
    一瞬にして飼われるHappy!!
    一瞬にして代われるChance!

    その歴史的な一瞬を
    ボクは首を長くして待ってます。
    ヨシハシさんはニヤつきながら
    天狗の鼻の下を伸ばして下さい。

    追伸…ランスアーチャーの変貌ぶりに
    心を踊らせずにはいられないボク。。
    ヨシハシさん、彼を見習って下さいね。

    長文失礼致しました。

    ※ヨシハシさんのファンの皆様
    決してバカにしてる訳ではごさいません。
    ご理解頂けると有難いです。

    • devonyamaoka より:

      どうも! もはやコメントがポエムみたいになってますよw でもヨシハシを語ると自然に詩的になってしまうのはしょうがないですなw ヨシハシは他人を見習ったりしない人なので、悪い意味で誰の影響も受けないというところが問題っすw
      いつも読んで楽しんでくださりありがとうございます!

  5. ランスアーチャーの全勝優勝を
    望んでやみません・・・
    久しぶりに迫力満点の破壊神を見ました!

    • devonyamaoka より:

      ですね! アーチャーの全勝優勝、そんなことが起きたら新日のスケールの大きさに感動して一生ついていきます(メイ社長に)

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