【4.20愛知大会】飯伏幸太、ジンジャーエール事件の真相【SENGOKU LORD in NAGOYA】

飯伏「なんですかこれ? ジンジャーエールじゃないですかこれ?」
IWGPインターコンチネンタル王座を見事防衛し、興奮状態でバックステージでの記者会見を行う飯伏の目に入ったのは、テーブルの上に置かれた瓶ビールであった。
メインイベントの王座戦後のバックステージには、こういった長テーブルとスポンサーからの提供品なのか知らんが祝福のビールが置かれていることがあるが、そこにジンジャーエールが置かれているというパターンは見たことが無い。
よって、その場にいた東スポ岡本記者は、さりげなく飯伏にそれを伝えようと試みる。
岡本「ジンジャーエールでは、、、ないですけど」
飯伏「(素手で瓶の蓋を開けながら)みんなで乾杯しましょう」
岡本「ジンジャーエールじゃないですよ?」
飯伏「これジンジャーエールでしょ」
ジンジャーエールではないことを何度も伝えようとする岡本。
頑なにビールをジンジャーエールだと言い張る飯伏。
この奇妙なやりとりが異様に気になった俺は、その真相を探るべく何度も繰り返しこのくだりを見返してみた。
実にリピート数十回、さらにこの飯伏の行動について一晩じっくり考えた末に導かれた俺の結論は、常識的にはにわかに信じがたいものであった。
結論:飯伏はめちゃくちゃ喉が渇いていた。
おそらく飯伏は、最初こそジンジャーエールだと勘違いしていたかもしれないが、何度も瓶を見て確認していたので、ビールであることはすぐに気付いたはず。
つまりジンジャーエールだろうがビールだろうが飯伏にとっては関係なく、単に目の前のドリンクをガブ飲みする口実として乾杯を提案しただけなのである。
だというのに、野暮な岡本記者は「それ、ジンジャーエールじゃないですよ?」とやたらと水を差してくる。
飯伏(うるせーな岡本、黙って乾杯させろよ)
その後の飯伏の「カンパーーーイ!」が無駄にハイテンションであったことからも、岡本へのイラ立ちを隠そうとしていたのは明らかである。
この一連の展開を踏まえて、この後の飯伏の防衛ロードに思いを馳せてみよう。
この先も確実に、飯伏はベルト防衛後のバックステージで毎度のようにビールをジンジャーエールと言い張ってガブ飲みするというくだりがお約束化するであろう。
新日本プロレスに正式入団した飯伏が、まず最初に確立させたのが、バックステージでのジンジャーエール芸とは、まさに飯伏の本気度が伺える素晴らしい試みではないだろうか。
ちなみにザックさんのバックステージでのビール芸はこちら
ベルトへの想いの深さが価値を上げる
飯伏「僕の最終目標は、何度も言ってますけど、このベルトをみんなが思っている1番のベルト、IWGPヘビー級のベルトと並ぶ、もしくは超える位置に持って行きたいと思います」
選手も、ファンも、そして会社ですらも、IC王者は2番手のチャンピオンだと思っていた。
内藤は、ICベルトの存在意義に疑問を持ち、ベルトをわざと乱雑に扱いその価値を無くそうとした。
しかし飯伏は、それを大事そうに抱え、宝物を手にした子供のような無邪気さで「これを1番にする」と言い切ったのだ。
モノの価値は持つ者の意識で変わる。
所有している本人が、2番手、3番手だと思っていれば当然それ以上の価値になることはないのだ。
飯伏は新日本プロレスに正式に所属することを決意し、さらに自分が手に入れた最高のベルトを、それに見合う輝きに変えると宣言した。
ついに正統なるIC王者としてふさわしい者が現れたようだ。
その証拠に、ICベルトの価値をもっとも疑問視していた内藤が自ら、飯伏のもとへ現れて挑戦表明をした。
まさに飯伏本人のベルトへの愛が、このタイトルそのものの魅力をアップさせたのである。
そして進化し続けるザックのプロレス
IWGPインターコンチネンタル選手権試合
飯伏幸太 VS ザック・セイバーJr.
ザックの試合はとんでもなく面白い。
飯伏の得意な打撃で追い詰められても、柔軟でしなやかな身体が一瞬の隙を見逃さずに絡みつく。
まさに一発逆転のサブミッションに持ち込むチャンスが無限にあるのだ。
さらにテクニック重視かと思えば、その体格では考えられないほどのパワフルな攻撃を瞬間的に見せたりする。
カウンターぎみに飛び出した必殺のザックドライバーの切れ味の鋭さたるや。
何が起こるかわからないスリルに満ちていて、ザックのファンからしたら常にワクワク見られるが、飯伏のファンからしたら心臓に悪いシーンの連続だったかもしれない。
しかし、そんな緊張感のある闘いを制したときの感動も大きいだろう。
飯伏は、強力な打撃とパワー、そしてザックに引けを取らない攻撃の発想力でこれを攻略し、ICベルト最初の防衛戦を守り切った。
これからベルトの価値をアップさせていく上で、最高の防衛の仕方だったと思う。
試合後に内藤が思わず出て来たのも納得のタイトルマッチ。
しかしだ。
ひとつ苦言を言わせていただくと、挑戦表明の時に内藤が行ったマイク
内藤「思ってることは口に出さなきゃ誰にも何も伝わらない。もし他にそのベルトがほしいという選手がいるのであれば、いますぐリングに上がってこいよ!」
これに呼応する選手がいないことが素直に寂しかった。
誰もベルト欲しくねえのかよと。
普段twitterとかで「チャンスが欲しい」とか言ってるレスラー勢は、ダメもとでもいいから出てくるくらいできないのかと。
たとえばヨシハシ、お前はついさっき内藤に無様に負けたばっかりなんだから、ここで「リベンジしてやる的立場」でフラフラでもいいから出て来て欲しかった。地元なんだし。
鈴木とライガーの運命が交錯する
こういうときの鈴木軍は本当に素晴らしい。
飯塚さんの引退を間近に控えたシリーズでも、とんでもなくドラマチックな物語を紡いでいたが、獣神サンダーライガー引退へのカウントダウンで、またも彼らはプロとしての最高の舞台づくりをする。
鈴木軍と本隊の10人タッグマッチ、鈴木みのるがリングにライガーを呼び込むシーンは、その瞬間に熱すぎるドラマがつまっていた。
パンクラス時代から鈴木のファンだった俺にとっては、興奮でもんどりうって身もだえするほどの場面である。
心なしか、この日の鈴木はとても楽しそうにライガーを標的にしていた。
ライガーもまた、鈴木と対峙したときにいつもとは違う空気を醸し出していたような気がする。
鈴木みのる「オイ、なにテメエ、思い出浸かって、思い出満載で、辞めてこうとしてんだ。オイ、俺はいつでもOK。何のルールだって構わない。テメエ、俺と闘え。オイ、獣神サンダー・ライガーに告ぐ。鈴木みのると闘え。辞めるかどうかはそのあと決めろ」https://t.co/bMP9lHi7b6#njsengoku pic.twitter.com/pL9GpGPM8q
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2019年4月21日
「俺と闘え。辞めるかどうかは、そのあと決めろ」
鈴木が言うこのセリフの重みを、ライガー本人がイチバンわかっているはずだ。
引退を考えていた鈴木をプロレスに引き戻したのは他ならぬライガーである。
つまり、鈴木とライガーはもう一度戦うべき運命にあるのだ。
その舞台は大阪城だろうか。
ファレ戴冠は果たせぬ夢となった
IWGP USヘビー級選手権試合
ジュース・ロビンソン VS バッドラック・ファレ
ファレが普通に負けてしまったショックで愕然としてしまった。
ジュースがこれほどまでに強くなっていたとは、しばらく姿を見ない間に格を上げたものである。
試合は、始終ファレが圧倒していたはずだったが、なにが敗因だったのかが思い浮かばない。
もしやジュースのあの新しい衣裳が、その強さに関係しているのだろうか。
グリーンのパジャマみたいなやつ。
あのデザインが、試合における相手の闘争心を著しく低下させて、本来のチカラを出せなくする効果を生み出しているのかもしれない。
しかし、バレットクラブはジュース相手に2敗してしまった。
この日は、ジュースのパートナーであるマイキー・ニコルスが、チェーズ・オーエンズとスペシャルシングルマッチを行いそれを退けた(なにげに名勝負だった)。
近々、それぞれ対戦相手を変えてのシングルマッチが組まれているが、単なる雪辱戦になるのか? はたまた何かが起こるのか?
今後のファレ&チェーズの動向が楽しみである。
まとめ
MSG大会を経ての新シリーズは複雑な因縁構造を見せている。
CHAOSとロスインゴの対抗戦は、オカダとSANADAのIWGP王座戦だけでなく石井さんとEVIL、ジュニア勢のライバル同士と、トリプルで前哨戦となっていた。
タイトルマッチでもないのに石井さんとEVILの闘いは期待が大きい。
そして、バレットクラブと本隊&CHAOSとの抗争も激しくなってきており、特に後藤が非常に躍動しているのが面白い。
後藤もジェイくんも、どちらも絶対に負けられない立場ゆえにまったく勝敗が読めない。
ここからドミニオンまでの数か月間で何が起こるのか?
まったく目が離せない、今年のどんたくシリーズは刺激満載である。
CHAOSとロスインゴ、スターだらけの10人タッグマッチは、一人だけ前哨戦ではないヨシハシがボコられる結果に。
ここで、テーマが無かった内藤にヨシハシが絡んでいけば対抗戦として成り立ったのに、なぜかヨシハシは何もしないので内藤は飯伏へと行ってしまった。泣けるハナシである。
Comment
残ります宣言が事実上の所属宣言だと思ってたんですが、ちゃんと発表しましたね。本当は明日の会見で言うはずだったみたいですけど、まぁこのほうが盛り上がりますし、紙テープパーンの前にリングから降りちゃったりあの会見といいテンション上がりすぎたんでしょうw
飯伏とザックの対戦は毎回ベストバウトを更新していきますね。NJCでの対戦では飯伏がザックにコントロールされた印象でしたが、今回は飯伏のほうがコントロールした印象でした。
NJCの内藤戦ではタイガードライバー91、今回のザック戦では変形go 2 sleepとカミゴェへの繋ぎのバリエーションが増えたのは良かったと思います。
内藤がIC次期挑戦者として出てきましたが、内藤ファンとしては複雑です。
もちろんリマッチ権があるんだからあり得る話だったんですが、せっかく身軽になってIWGPを狙える立場になったのにまたIC…そしてここ数ヶ月で3回目の飯伏戦…もちろんこの2人の戦いは何回やっても滅茶苦茶面白いのは分かりますが…
どうも! 「残ります」宣言でファンを喜ばせて、今回の正式な入団報告でさらに安心させたってところが飯伏なかなかやりますねw ちょっと抜けてるところも愛らしい。しかもリング上ではキレやすくて危険な攻防ばっかりする子どもみたいに無邪気。でも最近の飯伏はそこに落ち着きも見え隠れしていて魅力アップしていると思います。対ザックはほんと毎回最高ですね。やっぱお互いに発想力がすごいから観客の想像のはるか上を行きますね。
内藤がまた出て来たのには驚きました。たしかに複雑ですが、本人はダブル戴冠を狙っていたから理にはかなっているんでしょうね。
飯伏はICを神聖な物として、オスプレイはNEVERを力を示すものとして、ジュースはUSをアイデンティティとして
彼らのようにベルトに対して独自の価値観を見出すことは、複数ベルトがあることに対する一つの答えと言えますね。
ただ、内藤とリマッチするならコンテンダーマッチとか挟んで欲しいですかね。せっかく内藤がお膳立てしてくれたのでヘナーレや海野でも出て来たら面白そうなんですが。
チェーズはやっぱり上手いですね、ジュースやマイキーのようなタイプでもしっかり面白い。
正直、今回のUSが微妙だったので相対的にチェーズの評価が上がった気がします。
どうも! 王者たちがそれぞれベルトの個人的価値を見出しているのは、ファンにとっても嬉しいものですね。たしかにコンテンダーマッチは、ベルトの価値も上がるしタイトルマッチに向けて盛り上がるし、やらない手はないとは思いますね。やって欲しいな。でもあそこで呼び込んで誰も来ないようじゃ、それは実現しなさそうですね。
チェーズの試合は誰とやっても面白いですね。マイキーは微妙ですが、チェーズのおかげで試合がエンターテインメントになっていたと思います。ジュースとのスペシャルシングルが一体どうなるのか、見ものですなw