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【飯塚高史引退について】ヒールとして、純粋であること【新日本プロレス】

2019/02/13
 
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たとえば、誰かが何かのきっかけで新日本プロレスを好きになったとするわな。

2017年の松井珠理奈さんみたいに、仕事のひとつとして東京ドーム大会を見てたはずが、思わず本気でハマって熱狂的なファンになってしまったみたいな状況の人がいるとするわな。

当然のように、そこからは新日本プロレスについてのあらゆる情報を手に入れようと必死になるわな。

 

新日の歴史と現在に至るまでのストーリー、選手のこと、ユニットのこと、タイトルのこと、技のこと。

学ばなきゃいけないことはたくさんあるし、それを知ることがとんでもなく楽しい時期。

そんな、さまざまな教養を詰め込む中で、絶対に誰もが最初に引っかかる存在

 

 

 

飯塚さん。

 

 

他の選手やそのギミックについての詳細は、少し頭を柔らかくすれば何の抵抗もなく入ってくるかもしれないが、この人の存在は今までプロレスに触れてこなかった人からしたらあまりにも「常識ハズレ」すぎる。

 

 

・ちゃんと入場してこない。

 

・仲間の選手との意思疎通ができているように見えない。

 

・相手かまわず噛みつく(言葉本来の意味で)

 

・まともな試合をしようとしない。

 

・実況者が「アイアンフィンガー・フロム・ヘル」とか言ってる。

 

・とにかく、なんかわーわーやっている。

 

 

飯塚高史は、華やかな新日本プロレスのリングにおいての“絶対的な異物”としてそこにいる。

人としての心、レスラーとしての思考、それらすべてを無くして、狂乱のまま暴れて試合をぶち壊す厄介なトラブル。

傍若無人なその振る舞いを、プロレスファンたちは平然と、まるで夏休み明けの台風のような「当たり前の災難」であるかのように受け入れている。

 

新規ファンにとって、物心ついたときから飯塚さんは“怨念坊主”であり、その存在が気になってしょうがないはずだ。

 

あいつはいったい何者なんだ? と。

 

 



飯塚高史とは何者か?

 

ちょっと個人的な話になるが、新日本プロレスに興味を持ち始めた頃の息子も、まさにその「飯塚さんって何者?」という疑問に真っ先に悩まされていた。

 

このおっかないオジサンは誰?

 

単純でありながら極めて難解な疑問でもある。

俺にだってうまく説明ができる自信がない。

 

あまりにも気になったのか、息子はネットを駆使して飯塚さんの情報を片っ端から集め、そのキャラクターとしての成り立ちを自主的に調べ出した。

ワールドで飯塚さんが絡んだ動画はすべて見て、プロレスリングノア参戦時の動向も可能な限りインプットした。

その行為によって、息子は何か答えを見つけられたのだろうか?

 

いまだ記憶に新しい、昨年11.29『WORLD TAG LEAGUE 2018』後楽園ホール大会での、鈴木軍の同門対決。

鈴木みのる&飯塚高史 VS タイチ&ザック・セイバーJr.戦での試合終盤に、飯塚さんはザックに対してまさかの胴締めスリーパーを繰り出した。

 

当然のように会場はその奇跡のような瞬間を見て爆発し、俺だって興奮のあまり熱いものがこみ上げた。

ふと横の息子を見ると、なんとその幼い目に涙を浮かべているではないか。

 

 

人間にはさまざまな生き方があるし、本人の意思や選択次第で何者にもなれる。

飯塚さんが選んだ道、それがこの狂乱の“怨念坊主”である。

昔の自分を等々力の祠に封印し、10年以上もの歳月をこの姿で戦い続けた飯塚さん。

そんな飯塚さんの壮絶なる人生のドラマを、息子は小学生ながら理解し、そこに感動を覚えた。

 

息子が探し続けた「飯塚さんって何?」というシンプルな疑問は、このときにはすっかり解消されていたに違いない。

 

飯塚高史とは、自分の決めた生き方を純粋に、これ以上ないほどマジメに貫く者の象徴なのだ。

 

 

関連記事

【11.29後楽園】鈴木軍対決、いまにも落ちてきそうな空の下で【WORLD TAG LEAGUE 2018】

 

 

飯塚高史の引退。鈴木みのるの想い

 

東京ドーム大会の2夜明け会見で、新日本プロレスの菅林会長より発表された飯塚さんの引退。

2.21『NEW JAPAN ROAD』が引退記念興行となり、ついに来るべき時が来たとも言える別れの報告に、俺は大きな喪失感を覚えずにはいられなかった。

 

飯塚さんは現在52歳。

リングで暴れる姿を見るに、身体も引き締まっているし、他の第3世代のレスラーよりもずっと動けているような印象も受けるので、まだまだ現役でやれそうでもある。

なによりも、前述したタッグリーグでのエモすぎる活躍で、まだまだ飯塚さんには観客を盛り上げ熱くさせるパワーがあると再確認したことも相まって、引退するのは早すぎるのではないか? という気持ちが大きい。

しかし引退はもう決定事項であり、飯塚さんが自らこのタイミングを選んだのであれば、我々は受け入れるしかない。

 

引退発表の直後、タッグパートナーの鈴木みのるが意味深なツイートをした。

 

 

鈴木と飯塚さんの関わりには深く長い歴史があり、単なるユニットのボスと部下という関係性に留まらない。

歩いてきた道も違えば、生き方も、性格も、思想も違うかもしれないが、そこには同世代でこのプロレス界を生き抜いてきた戦友としての強い絆がある(ような気がする)

 

そもそも飯塚さんは、なぜ鈴木軍に入ったのか?

また、それまで裏切りを繰り返してきた飯塚さんが、「いつか鈴木軍を裏切るのではないか」と周囲に言われ続けながらも、一度も裏切らずにここまでやってきたのはなぜか?

 

きっと鈴木軍でいることが楽しかったんだろう。

 

鈴木と共に敵を蹴散らして、鈴木と共に場外で暴れて、鈴木とタッグを組んで最前線に立つことが、飯塚さんにとって全身全霊で楽しめるプロレスだったのかもなんて思うと、2人が俺たちなんかにはわからない特別な絆で繋がっていたとしても不思議じゃない。

 

不器用で、生真面目で、与えられたチャンスも生かしきれずにくすぶっていた飯塚さんが、やっとその真っすぐな性格を生かせる役割を見つけた。

それが「ヒール」という役割であり、どうせ悪党として暴れるなら、CHAOSではなく気心の知れた戦友である鈴木みのるの元で一緒にやりたい。

もちろんこれは俺の妄想でしかないけど、飯塚さんは鈴木軍だからこそずっとこのキャラを貫き通すことができて、鈴木軍だからこそ「ヒール飯塚高史」としてプロレス人生を終えようと決意できたのかもしれない。

 



2017年のワールドタッグリーグ、EVIL&SANADA戦に勝利した鈴木みのるのバックステージコメントを振り返る。

 

鈴木
「おいSANADAよ、EVILよ、誰に関節技をかけて倒そうと思ってんだ? え? お前らの目の前にいるのは、そう、このプロレスのすべてを手に・・・もうちょっとで手に入る鈴木みのる。そして、今はあんな姿だけどな、サブミッションマスターの飯塚高史だぞ!

 

こんな言葉が自然と出てくるあたり、きっと鈴木は誰よりも飯塚さんを認めているし、仲間として大いにリスペクトしているのだ。

 

飯塚さんの引退を、鈴木がどんな想いで見守るのか?

もしかしたら、引退試合で鈴木は飯塚さんと最後のシングルマッチをするかもしれない。

それとも、そのプロ意識から、最後のリングを降りるまで、飯塚さんはその純粋なる野獣の姿を守り続けるかもしれない。

どちらにしろ、俺は飯塚さんのプロレスをしっかりと目に焼き付けて、その生き様に対して最大限の敬意を込めて心からの拍手を贈りたい。

 

 

 

まとめ

 

人生に別れはつきものだ。

とはいえ、やっぱりひとつの時代の終焉を感じずにはいられない。

それがたとえ前向きな別れだとしても、淋しいものは淋しいんだよチクショウ!

 

どうだろう、飯塚さん。

引退したら当然人間の心を取り戻すだろうし、ここはひとつナニゴトもなかったかのように解説席に座り、山崎さんと2人で昔話なんかも交えたトークで実況を盛り上げてくれないだろうか?

それぐらいの期待をしてもバチは当たらないよね。

 

飯塚さん、引退まであとちょっと、思いっきり暴れて、噛みついて、マンハッタンドロップしまくってください!

 

 


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Comment

  1. えびお より:

    飯塚は、俺にとっては「強すぎるあまりに自分を封印した人」だったんですよね。圧倒的すぎて、真っ向勝負はできない、しないと決めた人。最後に一回だけ本気のシングルを見たかったけど、それは飯塚の本望ではないんだろうなあ…。

    • devonyamaoka より:

      どうも! 「強すぎるゆえに」というのも切なさを感じますが、飯塚はそんなプロレスに満足していたと信じたいです。最後に何をするのか? 本来の姿を取り戻すことはないだろうと踏んでいるんですが、盛大に鈴木を裏切ってリングを去るなんてのもまた素敵なラストだと思います。どうなんですかねw 楽しみに待ちましょう。

  2. デルピッポ より:

    KUSHIDA退団とは別のベクトルで悲しいですよね。
    会場徘徊だけで盛り上げられる飯塚さんこそまさにプロフェッショナルでした。
    ラストマッチではスリーパーはもちろん昔の得意技を見たいですね。最後に挨拶で人間の心を取り戻すのか、そのままのキャラを突き通すのか…どちらにしても涙無しには見られないでしょう。あと実況は絶対野上アナがいい。

    • devonyamaoka より:

      どうも! そうなんです。クシダとは全く違う寂しさなんですよね。飯塚さんのことを知れば知るほどプロフェッショナルで驚きますな。『パパはわるものチャンピオン』って絵本の世界なのに、飯塚はまさにそれをリアルで体現しているという意味でも伝説のレスラーです。最後の実況は100%野上アナでしょうw

  3. まーくん3号 より:

    飯塚さん引退ですか~。クッシーとケニーは新日本プロレスを離れるかなと予想はしていましたが衝撃がでかいです。飯塚さんといったら村上一成を絞め落とした魔性のスリーパー。照れながら永田さんと一緒にゼァしたのも飯塚さんの人柄が出てると思います。できれば引退試合には、元に戻った飯塚さんを見たい気がしますが怨念坊主のままで反則三昧の飯塚さんも見たいと複雑な気持ちです。言い方は悪いですが、クッシー、ケニーの代わりは出てくると思いますが、飯塚さんの代わりはいません。唯一無二の存在だからです。引退試合まで元気に場内徘徊してお客さんをビビらせてほしいです。
    後、デヴォンさんアトミックドロップではなく、マンハッタンドロップではないでしょうか?長文失礼しました。

    • devonyamaoka より:

      どうも! 飯塚さんの衝撃は突然すぎてデカいですよね。昨年タッグリーグであんなに盛り上げてくれたのに。永田さんとのタッグや村上を締め落としたときは、痛快な活躍もあってブレイクの予感していたんですがね。でも今の飯塚さんのほうが、実は本人的に気楽なのかなとかも思ったり、いろいろ複雑ですなw
      飯塚さんの代わりはヨシハシにやってもらうしかないですなw あ、マンハッタンドロップの件、ご指摘ありがとうございました! それですw 書いていて違和感あったんですが調べずにそのままアップしちゃいました。修正します!

  4. roki より:

    本当に寂しいです。
    みのるのデビュー戦の相手が飯塚選手だったりしますから、みのるの想いをなおさら複雑ではないでしょうか?
    少し前に飯塚VS村上の2000年東京ドーム戦を観ましたが、観客は狂乱していましたよ。飯塚の胴締めスリーパーに・・・。最後の最後くらいブリザードスープレックスから胴締めスリーパー。膝十字固めなどのサブミッションを観たいもんです…。

    • devonyamaoka より:

      どうも! そうなんですよね。鈴木との関係性の深さがあるからこそ、飯塚さんの引退はとても切ない。最後に在りし日の飯塚さんが戻るのか、怨念坊主としてまっとうするのか、どちらにしてもファンにとっては泣かずにはいられない最後になりそうです。

  5. ふうさん より:

    どうも!
    飯塚さん引退とか…
    いつかは訪れるだろうけど早い気もしますね。
    鈴木軍推しとして飯塚さん大好きでした。
    私もクッシーは予想してたけど飯塚さん引退はショックです。
    3月の長岡2連戦で観るの楽しみにしてたのに。
    怨念坊主で押し通すとしてもしなくても最後の試合観に行きますたいので2月21日後楽園のチケット予約します。
    最後まで頑張ってほしいです。
    鈴木軍、いちばーん!

    • devonyamaoka より:

      どうも! クッシーも飯塚さんもショックですねー。最終戦、楽しんできてください! 鈴木軍、いちばーん!

  6. いち飯塚さんファン より:

    はじめまして。飯塚さん引退ショックから、まだ立ち直れない飯塚さんファンです。記事見て泣かせていただきました。飯塚さんの引退試合は是非鈴木みのるとのシングルマッチにして欲しいです。二人の熱い絆で是非最後は正気に戻った飯塚高史と鈴木みのるのスリーパー合戦を!

    • devonyamaoka より:

      どうも! はじめまして。読んでいただき感謝です! 鈴木とのシングルで、しかも真面目にレスリングやり出したら会場が涙でいっぱいになりますね。でも真面目だからこそ、飯塚さんは怨念坊主のまま引退しそうでもあります。どっちにしろ泣いて笑って見送りましょう!

  7. リック より:

    いつか会場で飯塚さんの散歩を生で観ることを夢見ていたのに…

    最後のセレモニーがどういう形になっても泣いてしまうでしょうけど、できれば鈴木軍として鈴木軍なりのやり方で最後を飾って欲しいなと思います。

    • devonyamaoka より:

      どうも! 俺は一度も観られないまま終わりそうです。。。北海道なので、室蘭の道端で偶然に正気の飯塚さんと遭遇したりしてみたいという夢もありますがw 鈴木軍だからこそのラストに期待しましょう!

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