【12.15後楽園】ケニーは正しい、棚橋さんも正しい。【Road to TOKYO DOME】

ケニー
「俺の考え方は正しいかと思ったんですけど、もちろんタナの考え方も正しくはないと思ってるんですけど、もしかしたらさ、2人とも間違っているかもしれない。ホントの一番いいスタイルは今日みたいな試合。すべてを懸けて、全力で、魂で、試合をやるのが正しいんじゃないですかね」
2018年最後となった興行12.15後楽園ホール大会『Road to TOKYO DOME』のメインイベント、まさに年内最後の興行の最後の試合で行われたとんでもないベストバウトの終了後に言い放ったケニーのマイク。
「俺は正しいと思っていたが、もしかしたら2人とも間違っているかもしれない」
ケニー不在がつづいた年末のシリーズで、来るべき1.4東京ドーム大会のメインイベントを盛り上げるべく使命を負った棚橋さんが、ひたすら煽ってきたイデオロギー闘争の物語。
ケニーのプロレスを「賞味期限切れだ」と言い放ち、そんなプロレスは新日本プロレスではないと公言して真っ向から否定した棚橋さんと、新日本プロレスの未来には自分のプロレスこそがふさわしいと棚橋不要論を唱えるケニー。
それぞれの価値観をめぐる闘いが東京ドームで行われるはずだった。
しかし、ケニーはその前哨戦であるこの日のマイクで、そんな対立構造を「間違っているかもしれない」とコメントした。
この発言に賛否はあるかもしれないが、俺はぶっちゃけ魂が震えるほど感動した。
以前もこのブログの記事で書いたが、東京ドームでの2人の戦いは、どちらが必要かどうかを見極める闘いでもなければ、どちらかの進退を賭けた闘いでもない。
新日本プロレスの新しい未来を創造するための、極めてポジティブな戦いになるべきなのだ。
確かにここ数か月、ケニーのいない中で棚橋さんは、少しでも東京ドーム大会を「物語性のある闘い」にしようと必死で盛り上げてきた。
ファンもそんな棚橋さんを応援し、ほとんど大会に現れないチャンピオンのケニーを批判したりもして、それが直接対決に向けたモチベーションにもなっていたのは間違いない。
しかし、最後の後楽園2連戦に現れたケニーは、やはりあまりにも素晴らしかった。
誰がどう考えたって、ケニーは新日本プロレスに必要な存在である。
人間の健全な精神とは何か?
それは、否定的な価値観を持たずに、他者の意見を尊重し、お互いに歩み寄ってその思考をさらなる高い次元へと向上させること。
新日本プロレスにとって、ケニーは「未来」であり棚橋さんは「歴史」である。
価値観の相違は当然であり、この先の発展に必要なのは「どちらが正しいか?」ではなく「どちらも正しい」という考え方ではないだろうか。
つまり、イデオロギー闘争はこの日、ケニーが新日本プロレスのリングに立ち、棚橋さん&オスプレイと死力を尽くした戦いを行ったことによりすべて解決した。
幸いなことに、1.4東京ドーム大会まで持ち込むことなく、最後の前哨戦でこの愚かな戦いを終えることができたのだ。
残されたのは、すべてを懸けて、全力で、魂で、試合をすることのみ。
ケニーは正しい。
棚橋さんも正しい。
正しい者同士が、1・4の世界最高峰のリングで、シンプルにお互いの強さを競う魂のプロレスを見せてくれるはずだ。
前哨戦でありながら最高峰のベストバウト
ケニー・オメガ&飯伏幸太
VS
棚橋弘至&ウィル・オスプレイ
1.4東京ドーム大会のダブル前哨戦とあっさりアナウンスされていたが、驚くべきことにこの前哨戦は1.4の第1試合とメインイベントの前哨戦なのだ。
とにかく、この前哨戦のタッグマッチの素晴らしさはいくら頑張っても文章になんかできないし、というかする気も起きないので割愛するが、はっきり言って年間ベストバウトクラスの名勝負であった。
ゴールデン☆ラヴァーズは天才的に完成度が高いタッグチームだ。
こんなことも俺が今さら言うまでもないが、言いたいから言わせてもらう。
ゴールデン☆ラヴァーズの戦いをワールドタッグリーグで見たかった。
ケニーと飯伏の持つ独特の空気感、思考回路が似ているからこそ実現するタッグワークの数々、お互いの動きを予測して阿吽の呼吸で繰り出される連携の大技。
そんなパーフェクトな2人に対抗できるだけの運動神経と超人的なバネを持つオスプレイとの華麗な攻防。
まさに28分の至高。
ライガーさん
「俺プロレスラーで良かったし、プロレスファンでいて良かった。今日解説呼んでいただけて良かった。最高だわ」
解説席では、主にピーターさんやあべみほ嬢のケツしか見ていないライガーさんですら、この試合に本気で感動していたようだ。
リングに舞い降りる雪とホワイトクリスマス
ケニーは新日本プロレスのリングで戦うこの状況を心底楽しんでいるように見えた。
アメリカでの活動ばかりで日本にはもう興味が無いのかとファンからの批判も受けていたが、実はケニーはもっと日本で戦いたかったのかもしれない。
ケニー
「最近、気づいてるよ。私、思ってたほど、人気じゃなかったんですね」
日本のファンからの思った以上の批判に、さすがのケニーも思わず試合後のマイクでこんなセリフを言ってしまっているのが悲しい。
しかし、あんな素晴らしい試合を魅せてくれたケニーに対して、会場の観客も惜しみなく声援と拍手を贈る。
もちろん俺も、パソコンのモニターの前でケニーへの感謝と敬意を表明(無言で)。
そんな会場の温かさをしっかりと受け止めてくれたのか知らんが、ケニーはリング上でおもむろに「ホワイトクリスマス」を歌いだすのだ。しかもアカペラで。
なんちゅうサービス精神だろうか。
日本語での締めのマイクだけでも素晴らしいのに、さらにクリスマスが近いってんでクリスマスソングまで歌うなんて。
プロレスラーとは思えない美しい歌声が会場に響き渡り、空から雪が降り注ぐ。
プロレスファンのみんなへの最高のクリスマスプレゼント。
ケニー、あなたが新日本プロレスにいてくれて本当に良かった。
そして、この先もずっとここにいて欲しい。
きっと誰もがそんなことを思って、2人に舞い落ちる雪を眺めていたんだろうね。
まとめ
2018年のすべての興行が終わった。
終わりよければすべて良し。
いままでの不満も、最後の試合ですべて許せてしまう。
まったく俺たちはいつだって新日本プロレスの手のひらの上なのだ。
残るは年明けの1.4東京ドーム大会のみ。
・・・・あれ?
年内の興行って終わりだよね?
ヨシハシは?
ヨシハシも来年にお預けかよ!
Comment
デヴォンさんとまるきり同意見です。ケニーは未来で棚橋は歴史、なんという名言。
俺はどっちも好きなんですが、やはり棚橋の肉体的な落ち込みがまずあって、それを補おうとドラマを盛り上げ、身体能力が高すぎるオスプ、ケニー、飯伏との試合に「オレ!オレ!」をあえて引っ込めて、「試合を誰でどう運ぶべきか」っていうプロとしての冷静さで挑まざるをえない、そういう悲哀の中にいる棚橋を応援してしまうんですよね。タッグはシングルとちがって、棚橋のペースで運べないんで、棚橋にすれば悲しい選択だったろうなとか思ったり。
たぶんこれが最後のIWGPへの挑戦かもしれないですね。涙腺弱いんで、ドームは一人で行くことにすりゃよかったなあって今更思ってますw。
どうも! そうなんですよね。あのタッグマッチで、棚橋さんがしっかり自分の立場を理解して振舞っていたところがグッときました。あれ見て「棚橋は蚊帳の外だ」って言う人もいますが、俺もえびおさんと同様に冷静さと悲哀を感じますw ドーム行かれるんですね。どんな結果になってもきっと泣きますよね。
後半から棚橋がおいてかれていた感じがあって少し残念な気もしましたがまあすごい試合でした。これで間違いなく言えることは「1.4東京ドームのオープニングマッチはヤバい!」ということでしょうね。自分はドーム見に行きますがすごい楽しみです!
第0試合は
殿、鈴木みのる、矢野通、ヨシハシ(まだ出なさそう)
タイチ、エルガン、フィンレー、真壁や高橋裕次郎
もしかしたらオーエンズ、それから第三世代、ヘナーレ(名前からして弱そうだ)ファレ、ペイジなどが出るかもしれないと考えたらもう豪華すぎて興奮が止まりませんよ!
追伸
KES、飯塚、ベストフレンズや監督もですね、
どうも! 向井さんもドーム行かれるんですかー、羨ましい。オープニングマジでやばいですな。ヨシハシはジェイくんとオカダの試合で150%出るでしょうw
様々な批判も承知した上で試合をやりきり、最後には批判を全て覆したケニーは流石ですね。
他の方も言っていますが、棚橋が付いていけてないのが顕著でしたね。ケニーとの前哨戦が少なかったのも悲しいかな納得でした。
それでも棚橋が負けると思えないのがプロレスの醍醐味。1.4に向けて最高に盛り上げる幕引きだったと思います。
どうも! あれだけの批判を浴びていたのに、やっぱケニーの試合は面白い!ってなりましたからね。棚橋さんは付いていけない自分のことも客観的に見えていたと思いますね。どちらにしても、1.4でどちらも正しいということが証明されるのは間違いないと思います。どんな結末でも感動しそうw
GLとオスプレイが変態すぎましたね。
国内ファンの間ではケニーに対する批判が強くなってきていた中で全部ひっくり返るぐらい素晴らしい試合、そしてマイクだったと思いました。
まぁそれでもIWGP王者が前哨戦にいないのはキツかったですけどね。
どうも! GLとオスプレイは「変態」という部分で惹かれ合っているんですねw そうだったのか、納得w 王者がいなかったぶん、あの一試合で取り返したのはやっぱ凄いなと思ってしまいました。