【G1 CLIMAX 28 優勝】プロレスよ、これが棚橋弘至だ。

   

真夏の最強決定戦『G1 CLIMAX 28』

19日間に及ぶ激闘&死闘をサバイバルし見事優勝を飾ったのは「100年にひとりの逸材」エース棚橋弘至でした。

 

なんだかんだ言ってやっぱ棚橋だよな。

 

今年のG1を楽しんでいた全世界のファンが、例外なくそんなことを思ったことはまず間違いない。

それほどまでに「エースの帰還」という言葉がしっくりとくる優勝決定戦でした。

飯伏への期待&勢い&新たな風に、棚橋が対抗できるものは何か?

エースのプライドか? 新日本を背負い続けたその責任か?

 

 

どれも違いました。

 

 

棚橋が持つ、もっとも大きな武器。

それは「棚橋弘至である」という自身の存在そのものだったのでした。

8.12日本武道館、運命のG1クライマックス28優勝決定戦の感想です。

 

 

 

飯伏の狂気、棚橋の覚悟

 

結局、勝敗を分けたのは「覚悟」の違いだったのかもしれません。

もちろん飯伏にも大きな覚悟はあったはずですが、それは「捨て身」の覚悟であり棚橋のそれとはベクトルが大きく違っていた。

 

棚橋の覚悟とは、「新日本プロレスに一生を捧げる」覚悟です。

 

それはG1優勝しただけでは終わらない、その先もずっと続く長い道のりであり、栄光だけでなく努力と困難までも自身が受け入れる覚悟。

 

棚橋「飯伏の体力、気持ち、技術、何を取っても、全部俺より上だと、それぐらいの評価はしてる。あとは、ここの(※胸を指差し)心の持ちようひとつなんですよ。『俺が全員引っ張ってやる!』っていうのを飯伏に求めるのは、酷かもしれない。じゃあ、別に新日本プロレスじゃなくてもいいじゃないか。プロレス界、さらに大きなスケールで、『俺が全部引っ張ってやる』っていうことを言葉に出す。態度で見せる」

引用元:新日本プロレス公式HP

 

 

飯伏が言っていた「棚橋さんのプロレスは深い」というセリフは、まさにここに繋がるんでしょうね。

身体能力やパワー、技の多彩さ、プロレスの魅せ方など、飯伏は間違いなくトップクラスだし、今の棚橋よりも上かもしれない。

しかし棚橋は「未来への覚悟」「過去の歴史の重み」が、誰にも出せない「深さ」となってそのプロレスに現れます。

 

 

「覚悟」が「狂気」を後退させるすげー瞬間

 

 

Bブロックのようなぶつかり合いの壮絶さではなく、歴史を賭けた戦いの荘厳さが漂っていた35分。

 

飯伏はエース(というか神)を相手に、まさに神をも恐れぬ危険技を繰り出していきますが、棚橋は神としての大いなる懐の深さですべてを凌ぎます。

 

ラストで飛び出した3発のハイフライフローの圧倒的説得力。

 

棚橋弘至の背負った「覚悟の重さ」そのものが飯伏にダメージを与えるという、あまりにも残酷であまりにもドラマチックな結末に、飯伏ファンも泣くことしかできない。

 

 

棚橋弘至、3度目のG1制覇。

 

 

新日本プロレスのエース、王道の新日本プロレスが、ついに最前線に、頂点を目指すリングに戻ってきました。

 



 

棚橋弘至の新たな全盛期が始まる

 

新日本プロレスを王者として2年間引っ張ってきたオカダ、新たな時代へと導くケニー、大きなムーブメントを起こした内藤

時代は確実に棚橋を追い越していて、いつの間にか棚橋は「レジェンド」と呼ばれる存在へとなりつつありました。

 

「レジェンド」。

 

一見して素晴らしく名誉な称号ではありますが、言い方を変えると「終わった選手」の烙印でもあります。

最前線にいるべき人間ではなく、退き後続に道を譲る存在。

 

しかし棚橋は、周囲のそんな目線などお構いなしに最前線を求め、自らをアピールする。

そこに「潔さが足りない」という意見も多くあったと思います。

 

誰かが言いました。

 

棚橋は動きが良くない。

棚橋はヒールにでも転向したほうがいい。

棚橋にはハイフライフローに変わる技が必要。

 

あ、全部俺が言ったことだった。

いや、おそらく多くのプロレスファンが感じていたことなんだと思う。

棚橋本人の耳にも、同様の声は届いていたかもしれません。

 

それでも棚橋は「棚橋であり続けること」を貫き通した。

棚橋は、棚橋弘至として2018年のG1に挑み、棚橋弘至として優勝した。

このド根性、己のブレなさ、「俺のプロレスが一番面白い」という誇りと自信。

 

そこに痺れる、憧れる。

 

俺は棚橋の熱狂的なファンでもないし、新日本の人気が下降しかけたときに思いっきり総合格闘技にのめりこんだ人間だし、どちらかというと飯伏に期待していたし。

なのに優勝決定戦の真っ最中に、一瞬「棚橋弘至のファンが羨ましい」と思ってしまった自分がいます。

 

棚橋をずっと応援してきたファンにとって、今年のG1はとんでもなく刺激的で感動的なシリーズだったんだろうなと。

最終日の日本武道館で、長い長い棚橋をめぐる歴史に思いをはせながら応援できることの喜びとか。

 

棚橋が変わらなくて本当に良かった。

 

G1クライマックス28優勝、本当におめでとうございます!

 

 

 

棚橋にパワーを与えた柴田勝頼の存在

 

 

ファンの大きな期待を背負い、前日の激勝の勢いもそのままで、ケニー・オメガという親友(つーか恋人)をセコンドに付けた飯伏幸太は最強モード

プロレスファンにとって、飯伏の優勝からのケニーとの東京ドーム決戦は究極のドリームマッチでもあります。

 

そんな新たな歴史のはじまりへの期待感の中で、どう考えても不利な空気感が漂っていた棚橋ですが、入場と共に一気に形成が逆転します。

 

セコンドとして柴田勝頼が登場。

 

これほどまでにプロレスファンの琴線に触れる状況があるでしょうか。

奇しくもこの日8月12日は、柴田が「ケンカ、売りにきました」と新日本へと乗り込んだ6年前のあの日と同日です。

 

出戻りにもっとも批判的だった棚橋との激しい抗争も経て、今年のG1決勝における棚橋のセコンドについているというドラマ。

 

 

棚橋「粋ですよね、やってくれることが。とっても。セコンドで、『新日本プロレスを見せろ』って言われて、その気になりました」

引用元:新日本プロレス公式HP

 

 

『新日本プロレスを見せろ』

 

なんという難解かつムチャクチャな要求でしょうか。

棚橋じゃなかったら確実に「どゆこと?」と聞き返すかもしれないです。

しかし、柴田は以前、棚橋にこう言っています。

 

 

『新日本を守ってくれてありがとう』

 

 

この2つの言葉は間違いなく「対」になっています。

だからこそ、棚橋はその重みをすかさず理解することができた。

 

 

『お前が守った新日本を見せろ』

 

 

つまりそういうこと。

棚橋は、まさに試合でその通りのものを見せてくれたのです。

 

 

危なっかしくてハラハラする柴田の肩車w



そして舞台は1.4東京ドームへ

 

棚橋の夢は、東京ドームのメインに戻ること。IWGPヘビー級チャンピオンにもう一度輝くことです。

そのために、G1優勝者として大きな賭けに出た棚橋さんは、権利書マッチの相手としてオカダ・カズチカを指名しました。

 

棚橋「5月のレスリングどんたくで負けて、G1公式戦で引き分けたオカダ・カズチカを倒したうえでドームに行きたい」

 

なんちゅうリスキーな。

とか言っている場合じゃない。

東京ドームのメインに立つとはそういうことなんですね。

これも棚橋の「覚悟」のひとつなんです。

 

 

まとめ

 

棚橋弘至の復活はまだスタート地点でしかない。

ここから、権利書争奪戦、東京ドームメインイベント勝利という大きな仕事がまだまだ残っています。

そんな中で、9月には自身の主演映画『パパはわるものチャンピオン』も公開されるのでプロモーション活動も多くなるでしょう。

つまりますますハードになるエースのスケジュール。

そんな環境で、トップ戦線でのプロレスとメディア活動の両方向で全力を出すことができるのか?

棚橋の「覚悟」の真価が問われる新日本プロレスの後半戦。

俺はこうなったら見たいですよ。

棚橋の復活。

東京ドームでIWGPベルトを巻くエースの姿を。

 

 

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